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今日は何の日?■STIチューニングでスポーティさに磨きをかけたフォレスターSTi II タイプM
2001(平成13)年10月1日、スバルは初代「フォレスター」をSTIがチューンナップした「フォレスターSTi IIタイプM」を発売した。2.0L 水平対向DOHCエンジンのパワーアップと足回りの専用チューニングに加えて、スポーティな専用の外装部品を装備したスポーティモデルである。

シンメトリカルAWDで力強い走りと走破性を発揮したフォレスター
フォレスターは、1997年2月にインプレッサをベースに、乗用車とSUVそれぞれの機能を融合させた新しいタイプのクロスオーバーSUVとしてデビューした。

当時は、トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」のような乗用車感覚で乗れる都会派SUVが人気を集めていたが、フォレスターは角張ったワゴンボディで、当時のカタログには“あらゆるシーンでの使いやすさとあらゆる道での爽快な走りを追求、乗用進化型SUV”と記載されていた。
グレードは、「C/tb」、「S/tb」、「T/tb」の3グレードが用意されたが、パワートレインは共通。最高出力250ps/最大トルク31.2kgmを発揮する2.0L水平対向4気筒DOHC IC(インタークーラー)ターボエンジン(EJ20)と5速MTおよび4速ATの組み合わせ、駆動方式はもちろん4WDで、スバル伝統のシンメトリカルAWDである。

フォレスターはその実力を実証するために、発売約半年前に24時間連続走行で平均速度180.82km/hと世界最高速度233.341km/hを達成し、“世界最速SUV”の称号を獲得。他のSUVとは一味違う、力強い走りと高いオフロード性能は、オフロード好きやスバリストに高く評価された。
さまざまなグレードとモデル展開でファンの期待に応えたフォレスター

同年(1997年)7月には、ノンターボ135ps/18.5kgmの2.0L 水平対向4気筒DOHC NA(自然吸気)エンジン仕様「C/20」、1998年1月には「C/20」をベースにした特別仕様車「S/20」を発売。また、同年9月にはエンジンを“BOXER PHASE II”に改良するなどして走りに磨きをかけた。このエンジンは、最高出力は240psに低下したが、最大トルクは31.5kgmへと向上した。

1998年には167ps/24.0kgmの2.5L 水平対向4気筒DOHC NA(自然吸気)エンジン仕様「T/25」を追加。また2000年5月には、S/tbグレードをベースにSTIがチューニングをほどこした「S/tb-STi」を追加、SUVながらオンロードでの走行性能を向上させた。


STIチューニングのフォレスターSTi II タイプMが800台限定販売
そして2001年10月のこの日、フォレスターの新グレード「STi II タイプM」が800台限定で追加された。「STi II タイプM」はSTIによる専用チューニングを加えるとともに、専用の外装部品を装着している。

STi II タイプMのエンジンは、「S/tb」の最高出力240psの2.0L 水平対向4気筒DOHC ICターボエンジンをベースに、STiスポーツECUおよび低排圧マフラー、インタークーラーの改良によって最高出力は250 psへと向上した。

さらに全高45mmのローダウンやフロントサスペンションの専用チューニング、RAYS製17インチ鍛造アルミホイールを装着することで、ロールを抑えたシャープなハンドリングを実現し、フォレスター本来の乗り心地の良さを損なうことなくオンロードでの走行性能が高められた。
また内外装品については、主に「S/tb-STi」グレードをベースにして、アンダースポイラー一体フロント&リアバンパー、アルミ製ペダルパッド、アルミ製シリアルナンバープレート、本革巻きシフトノブ(チェリーレッドステッチ)、サイドアンダースポイラー、大型リヤスポイラー(ハイマウントストップランプ内蔵)が装備された。

トランスミッションは5速MTの4WDで、車両価格は260万円に設定された。

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マイナーチェンジの代りに、頻繁にグレードやモデル展開を進めるのはスバルの特徴である。なかでもSTIが手掛けるチューニングモデルは人気が高い。STIがその名を上げたのは、やはりインプレッサによるWRCの活躍だろう。スバリストにとってSTIのエンブレムは憧れなのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


