東京から大阪1000kmで実証、ハイブリッドの力強さと燃費性能

東京から大阪へ向けて、クロストレック「プレミアムS:HEV EX」と一緒に旅に出た。片道500kmを超える道のりは往復で1000km。長距離を走ることで、日常ではわかりにくいクルマの真価が見えてくる。テーマは「子育て世代にとって本当にちょうどいい一台なのか」ということ。今回はその答えを、実際のドライブで探してみた。

クロストレック「プレミアムS:HEV EX」全長×全幅×全高:4480mm×1800mm×1575mm ホイールベース:2670mm
クロストレック「プレミアムS:HEV EX」 エンジン:2.5L水平対向4気筒ターボ 最高出力:160ps/5600rpm 最大トルク:209Nm/4000-4400rpm

スバル・クロストレック「プレミアムS:HEV EX」は、2.5L水平対向4気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載するモデルだ。今回の往路はクロストレックの実力を探るべく、あえてアップダウンの多い中央自動車道を通るルートを選択した。

東京・恵比寿を出発し、首都高速を経由し中央自動車道に乗り、登り坂が続く区間にに差しかかると、まず感じたのはハイブリッドの滑らかさだった。エンジンとモーターがうまく噛み合い、加速は力強いのにギクシャク感がない。上り坂では余裕をもってスピードを保ち、追い越しの際も安心してアクセルを踏み込める。騒音や振動が抑えられているので、同乗する家族との会話が自然に続けられる。こうした穏やかさは長距離でこそ効いてくる。

中央自動車道 諏訪湖SAで休憩。登り坂が続く区間も力強く走ってくれるので疲労感は少ない。

走りの質感もラギッドなアウトドアテイストに寄せすぎていない上質感のあるものだった。ステアリングは軽すぎず重すぎず、切るほどにしっかり感が増す。サスペンションは段差を一発で収め、揺り返しが少ないので乗り心地が良い。長時間乗っても子どもが酔いにくいのは安心だ。パワートレーンの音も穏やかで、会話や音楽を邪魔しない。こうした細やかな配慮が積み重なって、旅全体が落ち着いた時間へと変わっていった。

中央自動車はアップダウンに加えタイトなコーナーが多い。こういう道でこそ車体の安定感の高さを実感できる。

燃費も頼もしい。今回は満タンで1000kmを走り切り、実測で18.2km/Lを記録した。給油回数を減らせるのは、子どもを連れての旅では大きな安心材料だ。経済的なメリットがあるのはもちろん、補給のタイミングを気にせず移動できることで、行程の自由度が広がり気持ちにも余裕が生まれる。実際に距離を重ねるほど、家族旅行の快適さにも直結すると実感できた。

燃費が悪いというイメージのスバル車だが、実測で18.2km/Lと高燃費だった。

コンパクトでも十分なラゲッジスペースと後席の余裕

大阪市街地に入ると、このクルマの扱いやすさが際立った。全長4.48m×全幅1.8mと大きすぎず、見切りの良さもあって、狭い路地や駐車場でも安心感がある。最小回転半径が5.4mと小さいため切り返しは少なく、スムーズに駐車できる。背が高すぎないから圧迫感もなく、視点は適度に高いので周囲の歩行者や自転車を見落とすことも少ない。運転に自信がないドライバーでも毎日の保育園送迎や買い物など、このサイズ感なら気兼ねなく使えそうだと感じた。

扱いやすいサイズながら、ラゲッジスペースに不満はなかった。荷室は開口部が大きく、荷物の出し入れが楽だ。ベビーカーや買い物袋を積んでもまだ余裕があるだろう。後席も広めで、大人が座っても窮屈に感じにくい。チャイルドシートを装着しても無理のない姿勢を取れるのはありがたい。

広い開口部で大きな荷物の積み降ろしもスムーズにできる。後席使用時のラゲッジ容量は279Lと十分だ。

また、車内の装備もファミリーにうれしいものが多い。USB電源は手の届きやすい場所にあり、タブレットを充電しながら動画やアプリを利用できる。収納スペースが多いのも魅力で、ちょっとした小物を置くスペースや飲み物をすぐ手に取れる。また、掃除がしやすい素材も、子どもと過ごす日常には助かるポイントだ。運転席シートのクッションも程よい硬さで、長時間運転しても腰の疲れが少ない。こうした積み重ねが「また出かけたい」と思わせる。

後席にはUSBのポートを備える。USB Type-AとType-Cが両方装備されているのはありがたい。

最新アイサイトが支える高速道路での安心感

帰り道は東名高速を通るルートを選択した。夕方の疲労が溜まる時間帯だったので、アイサイトを積極的に活用した。クロストレックのアイサイトは、従来型から進化を遂げた最新型となっていて、ステレオカメラ+広角単眼カメラの3眼構成を採用。視野と認識性能が拡張されている。スマートに前走車に合わせてスピードを調整し、車線中央をキープしてくれるので安心感が大きい。加減速の制御が自然で、唐突な動きがないから信頼できる。渋滞時も滑らかに動いてくれるため、自分は周囲の確認に集中できた。長時間の移動では集中力の維持が難しいが、こうしたサポートがあると最後まで安全に走り切れる。家族を守る装備としての価値を実感した。

帰路は渋滞などもあり、アイサイトを積極的に活用した。前走車を追従し車線の中央をキープして走行するので、ロングドライブの披露を大幅に軽減してくれる。

今回の旅を通して感じたのは、クロストレック「プレミアムS:HEV EX」は、派手さはなくても必要なところにきちんと応えてくれる一台だった。ハイブリッドの安定感と燃費の良さ、都市部でも扱いやすいサイズ、そしてアイサイトの安心感。この三つが揃っていることで、子育て世代にとって「無理なく自然体で使える」存在になっている。

伊丹空港に隣接する豊中つばさ公園に立ち寄ると、着陸する飛行機を間近でみることができた。

結論として言えるのは、このクルマが家族の時間を支える存在であるということだ。長距離を走っても疲れが少なく、帰宅後の満足感が大きい。次の週末、またこのクルマと一緒にどこかへ行きたいと思わせてくれる。クロストレックは、家族にとって“ちょうどいい”を形にした一台だ。日常から長距離旅行まで、幅広く頼れるパートナーだと確信できた。