ロードマップとして、本社工場宇品地区(広島県広島市)にある自家発電設備においては、当初予定されていた石炭からアンモニア専焼への燃料転換を見直し、より着実に脱炭素を推進すべく、既に発電技術が確立され、LNG※2から作られる都市ガスを燃料とするガスコージェネレーションシステム※3に切り替えていく方針とされた。このシステムは設備の小規模な改造のみでCN燃料として期待される水素へ段階的に切り替えを可能とするもので、将来的にはCN燃料の社会実装の進展と共に脱炭素を進めていくことを視野に入れている。今後、川崎重工業株式会社と共創し、エネルギー利用効率が極めて高く、工場操業に合わせ最適なエネルギーマネジメントが可能なガスコージェネレーションシステムの仕様などが検討されていく。
これに伴い、本社工場および防府工場の両拠点で現在稼働中の石炭火力発電は、2030年を目処に廃止を進めていく計画とされている。この計画推進においては、地域のエネルギー事業者である広島ガスと中国電力のご協力も得ながら、地域一体となって取り組みが進められる。なお、今回のロードマップアップデートにより、2030年度のCO2排出量削減の中間目標を、2013年度比で69%から日本の目標と同等の46%以上と、着実にCN実現へ移行するべく再評価された。
【注釈】
- 国内の自社工場と事業所は、企業サイト内「国内主要拠点」を参照
- LNG(Liquefied Natural Gas=液化天然ガス)
- ガスコージェネレーションシステムとは、1次エネルギー(燃料)を使用してガスタービンやガスエンジンを駆動し、複数の2次エネルギー(電気、蒸気など)を連続的に取り出すシステム

