EVカイエンに導入されたポルシェ史上最大サイズのディスプレイ「フローディスプレイ」とは？

Porsche Cayenne Electric

多くの新機能を導入するカイエン エレクトリック

間もなくワールドプレミアを予定している「カイエン エレクトリック」は、ポルシェが培ってきたスポーツカーのDNAと、デジタルイノベーションを融合。ポルシェのラインナップに新たな時代をもたらすモデルとして投入されるが、特にインテリアは「体験空間」へと大きく変貌するという。

その中心となるのが、ポルシェ史上最大のディスプレイとして登場する、新開発の「フローディスプレイ」だ。インスツルメントパネル全体にエレガントなカーブを描き、室内空間へとシームレスに統合。ドライバーやパッセンジャーは直感的に操作を行うことができる。

さらに、電動調整式リヤシート、サーフェイスヒーティング、ムードモードなど、新開発の快適装備がドライビング体験を大きく向上させる。カラー、マテリアル、アクセントは幅広いチョイスが用意されており、ほぼ無限のパーソナライズも可能となった。

ポルシェ・スタイルのインテリアデザイン責任者マルクス・アウエルバッハは、カイエン エレクトリックの室内空間について次のように説明を加えた。

「私たちの開発目標は、カイエンの本質的な特性を維持しつつ、新たに開発されたフローディスプレイ、そして『ポルシェ・デジタル・インタラクション（Porsche Digital Interaction）』の機能を調和的に統合することでした。革新的で先進的、かつ細部に至るまで緻密に考え抜かれたパッケージが完成しました」

究極のデジタル空間「フローディスプレイ」

カイエン エレクトリックに導入される「ポルシェ・デジタル・インタラクション」コンセプトは、ラインナップのデジタル化に革命を起こすことになる。その中心となるのが、美しくカーブしたOLEDディスプレイ「フローディスプレイ」。センターコンソールまでシームレスに繋がるデザインが採用され、ポルシェ史上最大の連続デジタルサーフェスを形成する。

14.25インチデジタルインストゥルメントクラスターは、出力計やナビ、ドライバーアシスト、インフォテインメントを鮮明に表示。オプションの14.9インチパッセンジャーディスプレイは、運転中でもドライバーを妨げることなく、エンターテインメントやアプリ操作、動画ストリーミングが可能となっている。

コクピットには、ポルシェとしては初めて、AR対応のヘッドアップディスプレイを搭載。ドライバーの視線の先に、8.7インチ相当のサイズで、ナビゲーションや車線案内を視界に直接投影する。

ポルシェ・スタイルのドライバーエクスペリエンス責任者のイヴォ・ファン・フルテンは、「スクリーンのデジタルコンテンツを刷新した目的は、より深く没入的なドライバーとクルマの一体感を生むことにありました」と、導入理由を語っている。

究極のパーソナライゼーション

カイエン エレクトリックは、過去に例を見ないほど自由度の高いパーソナライゼーションを実現した。13種類のインテリアカラー、4種類のインテリアパッケージ、5種類のアクセントパッケージを組み合わせることで、オーナーの希望に合わせたインテリアを完成させることができる。

新色として「マグネシウムグレー」「ラベンダー」「セージグレー」のカラーバリエーションを追加。レザーレスを望むカスタマーには、往年のポルシェデザインをリスペクトした、ペピタ柄のテキスタイルを採用した「Race-Tex」インテリアも用意された。さらに「ポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクトゥール」による特注仕様や「ゾンダーバーシュ」プログラムを通じたワンオフ製作にも対応する。

全席の居住空間と快適性が大幅に向上し、標準の電動調整機能付きリヤシートは、リラックスしたシートポジションからカーゴモードまで柔軟に切り替えることが可能。新たに導入される「ムードモード」は、照明／空調／サウンド／シート機能を組み合わせることで、気分に合わせた室内空間を演出する。

可変式調光機能付き「パノラマルーフ」は、ポルシェ史上最大のガラスサンルーフ。前方部分は従来のスライディングルーフのように開閉することが可能。ルーフ全体は液晶フィルムによる電動制御で「クリア」と「マット」を切り替えられるほか、さらに40%の「セミ」と、60%の「ボルド」という半透明モードも備える。

新採用のサーフェイスヒーティングは、シートだけでなくアームレストやドアパネルの一部といった接触面を広く暖め、従来の温風式より効率的な快適な空間を実現。これに加えて、アンビエントライトやコミュニケーションライトの範囲も拡張され、心地よさをさらに高めている。