フルノーマルから作り上げた美し過ぎるフォルム!
技ありの叩き出しフェンダーがスタイリングのポイント!
スポーツカー全盛期の90年代において、一線を画すオーラを放っていたNSX。800万円オーバーという価格設定もあって高嶺の花となっていたが、地を這うようなスタイルは走りに興味がないユーザーさえも振り向かせる存在だった。
「若い頃はソアラやシーマでドレスアップを楽しんでいましたが、他のスポーツカーにはない存在感が気になって、いつかはNSXに乗ってみたいと考えていました。それから時が流れた7年前に、業者オークションを見ているとフルノーマルのNA1が出品されていたので迷わず購入。最初は少しだけ乗って商品車にするつもりでしたが、走らせるほどに魅了されて夢中になってしまいましたね」とは、鈑金塗装や中古車販売を手掛けているオーナーの谷本さんだ。

ちなみに、チューニング経験がゼロどころか、仕事以外でMT車に乗ることもなかったそうだが、オリジナリティを追求して変更した足回りやホイールをきっかけにNSXへのカスタム欲求はどんどん高まっていく。当初はドレスアップ中心だったものの、NSX仲間の紹介でアスランと出会ったことによってチューニングに開眼。弄るほどに走りの楽しさと存在感が高まっていく愛車に夢中となり、今に至るというわけだ。
「サーキットでの速さを求めているのではなく、VTECの痛快さやアクセルを踏むとリヤからグイって押し出してくれるMRのフィールがストリートで味わえたらいい。純正フェンダーをさりげなく叩き出したり、軽量なドライカーボン製ボンネットを与えたり、オリジナルを機能的にブラッシュアップするアプローチで楽しんでいます」とは、谷本さん。

ECUの現車セッティングで330psに底上げしたC30Aは、オーバーホールのタイミングでチューニングを進めて3.2L化を予定。ガラスハッチ越しの見栄えにもこだわってホースやボルト類を細やかにアレンジした。

EXマニは2セット、マフラーは6セットを投入して、理想のサウンドにたどり着いたというRFYのフルチタンエキゾースト。同一仕様のフルステンレスも試したそうだが、乾いたVTECサウンドを奏でるフルチタンには敵わないとのこと。

ストリート仕様ということでアスランがセットアップした前後リフター付き車高調は、ピーキーになりがちなリヤミッドシップの特性をアライメントとともに抑制したもの。APレーシングキャリパーは、スーパースポーツの雰囲気が高まるようにイエローで飾っている。

様々なFRP製品が用意されているフェンダーだが、歪みやクラックの不安を嫌って純正フェンダーを叩き出し。鉄と違って簡単に絞ることのできないアルミ製パネルを、匠の鈑金技術で9J&11J履き可能に仕上げている。

NA2純正デザインのフロントバンパーをNA1のリトラヘッドに合わせて加工装着。つい先日までは大型カナードも備えたGT寄りのスタイルだったが、ドライカーボン製ボンネットの投入に合わせてナロースタイルを突き詰めた。

購入時の内装はカスタムオーダーメイドのフルイエローだったが、タイプRの黒に入れ替えている。ロールケージはレーシーさを高めるアクセントとして輝きが美しいアルミモデルをチョイスした。

30年以上の時が流れた今でも、周囲の視線を惹きつけるNSXの佇まい。スーパースポーツならではの輝きは今後も色褪せることはないと確信させられた。
●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880
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