過去ブランド復権の流れに「エクリプス」も名乗りを上げる?

三菱 エクリプス 後継モデル 予想CG

初代エクリプスは、「スタリオン」後継モデルとして1989年にアメリカで発売、翌1990年には日本に導入された。
当時、北米自働車雑誌では、「ポルシェ944」に対抗できるパフォーマンスを持つスポーツクーペ」と評されるほど高い人気を誇っていた。
しかし、2006年には日本市場で生産が終了、2012年には北米での販売も終了した。

三菱 エクリプス 後継モデル 予想CG

2017年には、クロスオーバーSUV「エクリプスクロス」が登場したが、実際にはルノー「セニック E-Tech」の三菱版として、いくつかの変更を加えたものだ。
エクリプスクロスは、ヨーロッパで高まる電動クロスオーバーへの需要に応えるために開発されており、「エクリプス」という名前からはかけ離れた印象を与えているのは拭えないだろう。

一方、エノック・ゴンザレス氏は、よりエクリプスにふさわしい形で再解釈しようと試みており、ファンが記憶する通りの内燃機関搭載クーペとして復活させた。

エノック・ゴンザレス氏はEVO XIやパジェロといった三菱の象徴的なクルマをデジタルで再解釈することで名声を博したデザイナーだ。
このエクリプスでは、1994年に発売された第2世代モデルからインスピレーションを得て、現代的なプロポーションとディテールを融合させることで、ノスタルジックでありながら先進性も感じられるクルマを創り上げている。

このエクリプス後継モデルは、2018年に発表されたコンセプトカーのデザインを一新したもので、フロントエンドでは、スリムなLEDヘッドランプをウィングレットが貫通し、機能的なカーテンへと空気を導く。
ウィングレットは、深いバンパーインテークとパワードーム型のボンネットに囲まれているなど、よりアグレッシブなスタンスを採用している。

側面では、特徴的なキャビン、すっきりと収まったドアハンドル、そしてクーペのような曲線を描くルーフラインなど、エクリプスのスタイルを踏襲したフォルムが確認できる。

また、リアセクションには、幅いっぱいに広がるLEDライトバーが2代目モデルを彷彿とさせているほか、彫刻的なリアバンパーにはECLIPSEの文字が描かれ、1999年に発売された3代目へのオマージュとなっている。
その下には、クワッドエキゾーストパイプの間にディフューザーが配置され、この三菱車には充電ケーブルは不要であることを誇示しているようだ。

同氏が製作したエクリプス新型は、デジタルの世界だけに存在するかもしれないが、そのメカニカルな部分には素晴らしいビジョンを持っている。
ルノー・日産・三菱アライアンスの恩恵を受け、最新の日産Zとプラットフォームとパワートレインを共有することも可能かもしれないだろう。

架空のセットアップでは、日産の3.0リットルV6ツインターボエンジンが、6速マニュアルまたは9速オートマチックギアボックスを介して最高出力400psを後輪に供給する。
ゴンザレス氏は、デザインを往年のエクリプス全輪駆動モデルに回帰させるため、スーパーセレクト4WD-IIシステムも想定しており、これまでのエクリプスの系譜に敬意を表していることを示しているという。

現実的に考えると、三菱の現在の戦略は量産型の電動クロスオーバーに絞られており、2ドアスポーツカーの復活はほぼ見込めない。
しかし、エクリプスへのノスタルジアは根強く残っており、特に90年代後半から2000年代初頭にかけてエクリプスのチューニングに携わった世代の人々の間では、その傾向が顕著だ。

現在日本では、ホンダ プレリュードが復活を果たし、今後トヨタMR2、セリカ新型が予想されるなど、2ドアクーペ復権の期待が高まっている。
果たして、エクリプスは復活する日はくるのか、楽しみに待ちたい。