『ラリーファンミーティング』とは?

『ラリーファンミーティング』は2023年より開催されている、その他の通りラリーファンが集まるイベントだ。『ラリージャパン』の復活に合わせて、これまで以上に日本でのラリー人気を盛り上げるべく、さらにはラリーファンがより楽しめるイベントとして開催されている。
2023年と2024年はどちらも「富士スピードウェイ」駐車場で開催されていたが、今回はより日本のラリーに縁の深い岐阜県に移動。『ラリージャパン』のSSにもなっている「笠置山モーターパーク」が会場となった。
過去2回は秋の”富士ウェザー”に悩まされたものの、今回はスタート当初こそ曇天だったものの天気は回復。汗ばむくらいの陽気に、爽やかな秋の風が吹く好天となった。

開催地の大幅な変更に未知数な部分もあったが、ゲストやコンテンツもよりパワーアップし、会場は大いに盛り上がったようだ。
■『ラリーファンミーティング2025』会場の様子
出展ブースでは展示ラリーカーに注目が集まる
お馴染みの出展ブースは、アライモータースポーツやウェルパインモータースポーツ、TOYOTA GAZOO Racingの3チームの他に、ダンロップ、横浜タイヤ、エンドレス、ウィンマックス、ワーク、ロッソモデロといったモータースポーツで馴染みの深いメーカーが並んだ。さらに、『ラリージャパン』もオフィシャルブースを出展して開催も近づきつつある『ラリージャパン』をアピールしていた。












他にもフードトラックが並び、来場者は地元グルメやスイーツに舌鼓を打った。かき氷はゲストの新井敏弘選手も堪能していた。

■出展ブース&展示車両ギャラリー
ステージイベントはベテラン&若手のトークショー!

ラリーイベントではお馴染みピエール北川氏とレースクイーン・星野奏さんのMCで行なわれるステージイベント。注目はやはり現役ラリードライバーによるトークショーだ。今回は全日本ラリー選手権のトップで活躍するベテランドライバーと、躍進著しい若手ドライバーの二部構成となった。

トークショーでは登壇したベテランドライバー4名が『ラリーファンミーティング』の前に開催された『ラリー北海道』のそれぞれの”やらかし”話をお互いネタにしながら盛り上がった。

また、昨今の全日本ラリー選手権はトヨタGRヤリスとシュコダ・ファビアが席巻しており、スバルWRX S4で戦う新井選手は苦戦中。そんな新井選手が「モリゾウさん(トヨタ会長・豊田章男氏)が『スバルでヤリスを売ってラリーをやってくれ』って俺からスバルに言えって言うんだよ(笑)」というブッチャケエピソードを披露して会場を沸かせた。

また、ラリードライバーとサーキットレーサーの違いとして、ラリードライバーはクルマが好きで色々な道をドライブするのが好き。自分の走りを突き詰めて、初めての道を誰が一番早いタイムで走れるかが気になると言う。
一方で新井選手は付き合いのあるスバルのGTドライバーを例に挙げて、クルマも好きだけどどちらかというと”バトル”が好きな傾向がある、と語った。

それゆえか、ラリードライバーはコース上で直接ぶつかり合わないこともあって意外に仲が良いとも語ったが、確かにトークショーからはそんな雰囲気を感じられた。とはえい、奴田原選手によると、走行順で誰がコースを荒らしたかの犯人探しをしたりするそうだ。とはいえ、それもネタいじりの範疇だとか。

昨今は日本のラリー競技も種類が増えて参加ハードルが低くなり、その先にはWRCである『ラリージャパン』もある。世界へ続く道が開けているので、興味のある人はぜひラリーに挑戦してみて欲しいと語った。

また、若手ドライバーはそれぞれがどのような経緯でラリーの世界に来たのかが語られた。特に、女性登壇者である兼松選手と及川選手はいずれもKYOJO CUPからの流れ。女性モータースポーツの盛り上がりを強く感じさせた。及川選手はどうしてもラリーがやりたくてウェルパインモータースポーツに直談判して加入したと言うエピソードを語った。

加えて、兼松選手は岐阜県美濃加茂市出身、勝田範彦選手のLUCKラリーチームに所属する三枝聖弥選手は地元恵那市出身と、岐阜県出身の若手ドライバーが活躍している。
そしてイベント恒例のジャンケン大会では、協賛各社提供の豪華アイテムが来場者によって争奪された。
■ステージイベントの様子
イベントの目玉!ラリーカー同乗走行ではシュコダにも乗れた!
そしてこのイベント一番の目玉はプロドライバーの運転を本物ラリーカーの助手席で体験できる同乗走行だ。今年は全日本ラリー選手権を走るマシンでも、普通の人ならまず乗ることがないシュコダ・ファビアに加え、クロスカントリーラリーのマシンまで8台が用意された。

ドライブするのは当然その車両のレギュラードライバー陣。基本的にはトークショーに登壇したドライバーだが、トヨタ・フォーチュナーのアジアクロスカントリーラリー仕様車を運転するのはトークショーには参加しなかった塙 郁夫選手だ。

人気コンテンツだけに抽選の倍率はこれまでなかなか高かった。今回はマシンを8台用意して、午前の部と午後の部でのべ100名の同乗枠を目指したそうだ。

コースはパイロンこそ立ててあるものの各ドライバーの自由裁量。同乗者は概ね1分間の異次元走行を味わうことになる。そして、回が進めば進むほど、特に午後回はドライバー陣も興が乗ってかより過激なドライビングで同乗者を楽しませていた。








また、今回が初となるクロスカントリーラリーマシンによる走行は、全日本ラリー選手権マシンとは異なりサイズが大きい上に車高も高く、ブレーキングや加速のたびに長大なサスペンションストロークで車体が大きく動く様子が大迫力だった。
■同乗走行ムービー&フォトギャラリー
笠置山モーターパークとは?恵那市を強烈アピール!地元物産も販売

会場となった笠置山モーターパークは、岐阜県恵那市にあるモータースポーツイベント会場。恵那市には「ラリーまちづくり課」があり、モータースポーツを強く推進している。この日も恵那市の小坂喬峰市長がラリーまちづくり課の職員と来訪。恵那市の魅力をアピールしていた。

笠置山モーターパークは何を隠そう『WRC・ラリージャパン』のSS(スペシャルステージ)にも設定されており、その観戦距離の近さはイベント屈指とのこと。『ラリージャパン2025』ではDAY3のSS10・SS11が設定されている。DAY3は他のSSも恵那市が中心になっているので、リエゾンも含め見所も多いだろう。

さらにフードトラックコーナーには地元物産コーナーも出店しており、岐阜や恵那のうまいものが並べられた。特に、恵那市笠置町はゆずの産地であり、ゆずはもちろん様々なゆず製品が並べられていた。また、小坂市長は笠置山周辺がブランド栗の一大山地であることをアピール。実は、この日も会場近くで栗拾いイベントが開催されていたとか。

2026年はSSコースで同乗走行ができるかも?
今回『ラリーファンミーティング』が笠置山モーターパークで開催されるにあたり、目玉コンテンツである「ラリーカー同乗走行」をラリージャパンのSSコースで行なう構想もあったという。しかし、イベントが『ラリージャパン』の開催2ヶ月前ということで、FIAが禁止する「事前レッキ」(コースの下見走行。ルールで定められた期間のみ行うことができる)に抵触するということで見送られた。

実際のラリーコースでプロドライバーの運転するラリーカーに同乗……実現していれば、ファンには夢のようなイベントだっただろう。しかし、諦めてはいけない。2026年のWRCカレンダーでは『ラリージャパン』は春開催(第7戦・5月28日〜31日)が決定しており、もし『ラリーファンミーティング2026』が今年と同時期に笠置山モーターパークで開催されるなら、ラリージャパン開催後になるためSSコースでの同乗走行も可能になるかもしれない。

盛況のうちに幕を閉じた『ラリーファンミーティング2025』だが、早くも2026年の開催に期待せざるを得ない。それにはまず、11月に開催される『ラリージャパン』を大きく盛り上げ、2026年の日本のラリーの盛り上がりに繋げていきたいところだ。

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