最強ポルシェ911ターボSを新旧で比較する「T-ハイブリッド搭載の992.2型はどれほど進化した？」
「新旧ポルシェ911ターボS比較」T-ハイブリッド搭載の992.2型はどこまで進化した？
Porsche 911 Turbo S 992.2
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Porsche 911 Turbo S 992.1
空力とクーリング性能をアップデート
2025年9月、IAAモビリティ 2025において、ポルシェは911シリーズの頂点に君臨する新型「911 ターボS」を発表した。最新世代の992.2型をベースに、3.8リッター水平対向6気筒エンジンには電動ターボチャージャーが導入され、911 カレラ GTSに続いて、400Vシステムをベースとする「T-ハイブリッド」システムが搭載される。クーペとカブリオレというボディ構成は、新型でも引き継がれることになった。
992.1型ベースの先代「911 ターボ S」は、2020年3月に登場。新型911 ターボ Sはフロントセクションにバーティカル形状のクーリングフラップを追加。可変式リヤウイングと組み合わせることで高いエアロダイナミクスレベルと冷却性能が確保された。
前後バンパー形状が変更されたことで、全長は16mm延長されたが、全幅やホイールベースに変更はない。また車両重量はバッテリーを含むハイブリッドシステムが追加されたにも関わらず、85kgの増加に留められている。
ポルシェ 911 ターボ S 992.2
ボディサイズ＝全長4551×全幅1900×全高1305mm
ホイールベース＝2450mm
車両重量＝1725kg
タイヤサイズ＝255/35ZR20（前）、325/30ZR21（後）
ポルシェ 911 ターボ S 992.1
ボディサイズ＝全長4535×全幅1900×全高1303mm
ホイールベース＝2450mm
車両重量＝1650kg
タイヤサイズ＝255/35ZR20（前）、315/30ZR21（後）
Eターボを2基搭載し、最高出力711PSを発揮
992.2型911 ターボSは、3.6リッター水平対向6気筒エンジン＋電動ターボチャージャー（eターボ）の構成。911 GTSから導入の「T-ハイブリッド」は、911 ターボSの導入に際して大幅なアップデートが実施され、eターボは2基に増加された。システム最高出力711PS、システム最大トルク800Nmを発揮する。
最高出力は先代911 ターボ Sから61PSもの向上を果たし、911史上最もパワフルな“市販911”の称号を手にした。最高速は330km/hから322km/hに抑えられたが、0-100km/h加速は0.2秒短縮し、2.5秒というタイムを叩き出している。
ポルシェ 911 ターボ S 992.2
エンジン形式＝水平対向6気筒エンジン+電動ターボ
排気量＝3591cc
システム最高出力＝711PS/6500rpm
最大トルク＝800Nm/2300〜6000rpm
トランスミッション＝8速PDK（DCT）
駆動方式＝AWD
最高速度＝322km/h
0-100km/h加速＝2.5秒
ポルシェ 911 ターボ S 992.1
エンジン形式＝水平対向6気筒ツインターボ
排気量＝3745cc
システム最高出力＝650PS
最大トルク＝800Nm
トランスミッション＝8速PDK
駆動方式＝AWD
最高速度＝330km/h
0-100km/h加速＝2.7秒
止められない電動化の流れ
992.2型のコクピットは、12.65インチメータパネルと、センターに横型の10.9インチタッチスクリーンディスプレイをレイアウト。インテリアにはドアパネル、ステアリングホイール、ダッシュボード、センターコンソール周り、メーターパネル、シートベルト、センターコンソールのスイッチなどに専用の「ターボナイト」カラーが導入された。
今回、純ICE（内燃機関）搭載モデルから、電動化へと舵を切った911 ターボ S。その甲斐あってニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでは、992.1型のタイムを14秒以上も更新、7分3秒92という強烈なタイムを叩き出した。これだけのパフォーマンスアップを考えれば、400万円近い価格アップも納得といったところだろうか。
先日、ポルシェはICEの開発・生産継続を宣言した。それでも、近年登場するパフォーマンスモデルの多くがハイブリッドパワートレインを搭載しており、電動化という流れは止まることはないだろう。ICEのみで650PSという最高出力を絞り出す先代911 ターボ Sは、中古車市場において高い人気を集める可能性がある。
車両本体価格
ポルシェ 911 ターボ S 992.2 3279万円
ポルシェ 911 ターボ S 992.1 2892万円（新車当時）
