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今日は何の日?■Z34型フェアレディZのロードスター登場
2009(平成21)年10月15日、日産自動車から前年の12月にモデルチェンジした6代目「フェアレディZ」のオープンモデル「フェアレディZ ロードスター」が発売された。ロードスターは先代に引き続いての登場であり、Z伝統の痛快な走りとオープンモデルならではの開放感が楽しめた。

フェアレディZ オープンモデルの歴史

フェアレディZのオープンモデルを遡ると、その原点はZの先代にあたるオープンスポーツ「ダットサン・フェアレディ」である。

まず1952年に日産として、また国産車としても戦後初のオープンカー「ダットサンDC-3」を投入。続いて1959年には、FRP製ボディを纏った「ダットサンスポーツ1000(S211)」、1960年には北米専用モデルながら初めてフェアレディ(表記は「フェアレデー」)の名を冠した「ダットサン・フェアレデー1200(SPL212)」の発売を始めた。




その後、本格的なオープンスポーツとして、1962年に「ダットサン・フェアレディ1500」、1965年の「フェアレディ1600」、1967年の「フェアレディ2000」と続いたのだ。

そして、この流れを汲んで1969年に登場したのが、日本を代表するFRスポーツ「フェアレディZ(S30型)」だ。初代にはオープン仕様は設定されなかったが、2代目Z(S130型)にTバールーフが設定されたのがZのオープンモデルの最初である。Tバールーフは続く3代目(Z31型)、4代目(Z32型)にも設定され、フェアレディZではおなじみとなった。


Z32型にはフルオープンとなる「コンバーチブル」も設定され、Tバールーフと併売された。5代目(Z33型)ではTバールーフを廃止してフルオープンのみとなり、名称も「ロードスター」に変更された。
ショート&ワイドになって性能向上を追求した6代目
2008年12月にモデルチェンジした6代目「フェアレディZ(Z34型)」は、“すべては走りのために“をキーワードにシャシーやエンジン、内外装に至るまで、あらゆる要素を走りの追求に向けた。

スタリングは曲線的でマッシブな雰囲気は先代から踏襲しつつ、かつてのフェアレディZのアイデンティティーだったロングノーズが強調されたプロポーションに変貌。先代同様2シーター専用ボディのみで、ボディのディメンションが先代よりもショート&ワイドになった。

インテリアは、ドライバーとの一体感を重視したコクピットで構成。メーターパネルを多層化することで視認性を高め、センタークラスターの上に3連サブメーターを配することでスポーティさが強調された。

パワートレインは一新され、エンジンはスカイラインクーペと同一の最高出力336ps/最大トルク37.2kgmを発揮する3.7L V6 DOHC(VQ37VHR型)エンジンと、6速MTとマニュアルモード付7速ATの組み合わせ。駆動方式は、フロントミッドシップによるFRが踏襲された。
車両価格は、362.25万~435.75万円(6速MT)/372.75万~446.25万円(7速AT)だった。
10ヶ月遅れでロードスターがデビュー

Z34型フェアレディZのデビューから10ヶ月後の2009年10月のこの日に、電動開閉ソフトトップを採用した「フェアレディZ ロードスター」がデビューした。

ボディサイズは、ベースのクーペより全高が10mm高くなった以外はクーペと同じ。ドアやトランク開口部は補強され、衝突安全性を確保するとともに高剛性化を達成したが、車重は50kg程度の増加に抑えられた。ソフトトップは約20秒で開閉可能で、外側のドアハンドルに設置されたスイッチを押すことでも開閉が可能だった。

車内にはロードスター専用の空調システム内蔵エアコンディショニングシートが設置され、ソフトトップには内張りが施され高級感が演出された。またオーディオは、オープン/クローズ時いずれも最適な音響を提供するBOSEサウンドシステムが用意された。

パワーレインはベースのクーペと同じで、車両価格は435.75万~498.75万円(6速MT)/483.0万~509.25万円(7速AT)で、ベースよりも約70万~80万円高額だった。

フェアレディZ ロードスターは、国内では2014年4月までの4年半で累計798台が販売された。
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国内のセダンやスポーツカー市場が冷え切った時に登場したZ34型フェアレディZの販売は限定的で、さらにオープンカーのロードスターとなると、さらに販売は限られた。現行の2022年デビュー(Z34型)にロードスターの設定はないが、北米市場からは復活の要望が強く、検討しているとの噂もある。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
