2035年には内燃機関が欧州の自動車メーカーのラインナップから完全に姿を消すことはなくなり、ハイブリッド車は生き残る。
BMWの顧客・ブランド・セールス担当責任者であるJochen Goller(ヨッヘン・ゴラー氏)は、ミュンヘン・モーターショーでメディアに内燃機関エンジンは永遠になくならないだろうと発言したことがわかった。折しも、今後10年以上、BMWブランドを牽引する、最初のノイエクラッセ電気自働車「iX3」が発表されたショーでのことだ。

欧州連合は、2035年からディーゼルおよびガソリンエンジンを搭載した新車を段階的に廃止することを決定していたが、方針を変更し、環境に良い合成燃料を使うエンジン車は認めると表明している。

これを受けて、一部の人々が懸念していたように、2035年には内燃機関が欧州の自動車メーカーのラインナップから完全に姿を消すことはなくなり、ハイブリッド車は生き残ると思われる。しかし、BMWの幹部は、内燃機関は10年間の猶予を与えられただけではない。それは不滅と断言しているようなのだ。世界に影響を及ぼすトップ自動車メーカーが、ここまではっきりと内燃機関を支持する発言は珍しいだろう。
ただし、BMWの広報担当者によると、ゴラー氏の発言は、新しい駆動技術の普及が国や地域によって大きく異なることを強調しようとしたと付け加えたといいう。
現在、欧州や米国ではEVの普及が他の市場よりも急速に進んでいるが、自動車メーカーがかつて期待していたほどの速さではない場合もある。電気自動車は現在、欧州の新車販売の5分の1を占めており、米国でのシェアは小さいものの、米国での普及は、インドやアフリカ、アジアの辺境よりも早く実現すると予測されている。
BMWでは、7シリーズやX7のように、改良新型に内燃機関とハイブリッドのオプションを確保するためにアップデートを施し、EVモデル併売されていく。BMWが少なくとも当面は世界中でマルチエネルギー戦略に注力していくことは間違いないだろう。
ゴラー氏によると、BMWは最終的に3つのプラットフォームを持つと述べているようだ。EV用のノイエ・クラッセ、ハイブリッド車(おそらく水素も)用の新しいマルチエネルギーバージョン、そしてエントリーレベルの内燃機関用の基本プラットフォームだ。
日本各メーカーも、間違いなく同じような方針と進むと見られる。では、内燃機関は決して消滅しないのだろうか? もちろん、いずれは消滅すると思われるが、ハイブリッド車の普及、顧客の需要、そしておそらくe-fuelの登場により、内燃機関は日本を含め世界で、かなり長い期間、もしかすると今後30年、40年と生き残るかも知れない。







