連載

今日は何の日?

■英国生産のシビック・タイプR ユーロを再販売

2010(平成22)年10月28日、ホンダは2007年から英国で生産された欧州専用モデル「シビック」をベースにして誕生した「シビック・タイプR ユーロ」を輸入販売した。2009年に限定販売されたが、今回は一部外観などを変更して再販売された。

ホンダ「シビック・タイプRユーロ」
2010年に再版されたホンダ「シビック・タイプR ユーロ」

レーシングスピリットを凝縮したシビック・タイプR(EK9)誕生

初代「シビック・タイプR(EK9型)」は、ホンダのレーシングスピリットを凝縮した究極のスポーツモデルとして1997年8月に誕生した。

初代「シビック・タイプR(EK9)」
1997年に誕生したホンダ初代「シビック・タイプR(EK9)」

タイプRは、それまでのスポーツグレード「ハッチバックSiR」をベースにさらにハイチューンし、一般路だけでなくサーキットでも他を圧倒するパワフルな走りを目標として誕生。心臓部となるエンジンは、1.6L 直4 DOHC VTECエンジンを搭載、高圧縮比や各部の軽量化、フリクション低減、吸排気抵抗の低減などを行ない、NA(自然吸気)ながら最高出力185ps/最大トルク16.3kgmを発生。トランスミッションは5速MTが組み合わされた。

初代「シビック・タイプR(EK9)」
1997年に誕生したホンダ初代「シビック・タイプR(EK9)」

さらに、車高を下げた低重心化やサスペンションのハードチューニング、ブレーキ力の強化、ボディ剛性の強化、ABSのスポーツセッティング、専用タイヤなどホンダの培ったレーシング技術を注入。パワフルかつ強固な足回りと優れた操縦安定性を手に入れたタイプRは、比較的安価な199.8万円で売り出されたこともあり大ヒットを記録した。

パワーアップした英国生産の2代目シビック・タイプR(EP3)

2001年12月、2代目シビック・タイプR(EP3型)がデビューした。前年に発売された7代目シビックに3ドアハッチバックがなかったことから、英国生産の欧州向けに設定されていた3ドアハッチバックをベースにして、英国工場で生産したものを日本に輸入するという形がとられた。

ホンダ2代目「シビック・タイプR(EP3)」
2001年にデビューしたホンダ2代目「シビック・タイプR(EP3)」

排気量を初代の1.6Lから2.0Lに拡大し、パワートレインは215ps/20.6kgmを発生する専用チューニングされた2.0L 直4 DOHC VTECエンジンと6速MTの組み合わせ。

ホンダ2代目「シビック・タイプR(EP3)」
2001年にデビューしたホンダ2代目「シビック・タイプR(EP3)」

2代目シビック・タイプR(車両価格:220万円)は、圧倒的な走りは継承されたが、ベースとなったシビックのファミリーカー的なスタイリングの影響で、ボンネットと全高が高く精悍さに欠けるという不満が散見された。

国内生産で3ナンバーセダンになった3代目シビック・タイプR(FD2型)

ベースの8代目シビックが2005年9月にフルモデルチェンジを行ない、国内仕様はハッチバックを廃止して3ナンバーサイズのセダンになった。シビック・タイプRは遅れて2007年3月に発売された。

ホンダ3代目「シビック・タイプR(FD2)」
2007年にデビューしたホンダ3代目「シビック・タイプR(FD2)」

パワートレインは、225ps/21.9kgmの2.0L 直4 DOHC VTECエンジンと6速MTの組み合わせ。車両重量は1260kgとさらに重くなったが、NAの2.0Lエンジンとしてはかなりの高性能だったので、高速性能や操安性に優れ、高回転域の伸びの良さが自慢のスポーツセダンだった。

ホンダ3代目「シビック・タイプR(FD2)」
2007年にデビューしたホンダ3代目「シビック・タイプR(FD2)」

しかし、ベースのシビックが3ナンバーサイズのセダンになったこともあって売れ行きが低迷し、シビック自体が国内販売に終止符を打った。結果として、3代目シビック・タイプR(車両価格:283.5万円)も短命に終わった。

4代目シビックは、英国製輸入車「タイプR ユーロ」(FN2型)

ホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」
2009年にデビューしたホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」

3代目シビックは国内販売に終止符を打ったが、シビック・タイプRは英国製の輸入車として継続され、「シビック・タイプRユーロ」の車名で、2009年11月に国内に投入。ボディは3ドアハッチバックに回帰して、パワートレインは201ps/19.7kgmを発揮する2.0L 直4 DOHC VTECエンジンと6速MTの組み合わせ。

ホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」
2009年にデビューしたホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」

3代目シビック・タイプRに比べると性能は低下し、車両重量も1320kgと重くなったため加速力は低下したが、エンジンの振動を打ち消す2次バランサーの採用などで回転感覚は滑らかになった。さらに、ザックス製ショックアブソーバーも採用され、4代目はスポーツ指向から快適性も兼ね備えた大人のプレミアムスポーツへと変身した。

ホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」
2009年にデビューしたホンダ4代目シビック・タイプRの「シビック・タイプR ユーロ」のエンジン

4代目シビック・タイプR ユーロは、2010台限定の車両価格298万円で販売された。

翌年に1500台限定で一部変更して再販売

ホンダ「シビック・タイプRユーロ」
2010年に再版されたホンダ「シビック・タイプR ユーロ」

上記のシビック・タイプR ユーロ発売の翌2010年10月のこの日、外観などを一部変更して1500台限定で再びシビック・タイプR ユーロが販売された。従来の走行性能や洗練された乗り味はそのままに、ダーククロームメッキの加飾パーツを追加するなどで質感が高められた。

ホンダ「シビック・タイプRユーロ」
2010年に再版されたホンダ「シビック・タイプR ユーロ」のサイドビュー
2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のサイドビュー
2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のサイドビュー

具体的な変更内容としては、ブラック塗装フロントメッシュグリル、およびダーククロームメッキで加飾したフロントグリルフレーム、アウタードアハンドル、フューエルリッドを追加。さらに、ボディカラーは新色の「クリスタルブラックパール」に「チャンピオンシップホワイト」、「ミラノレッド」を加えた全3色が用意された。

2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のダーククロームメッキで加飾したアウタードアハンドル
2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のダーククロームメッキで加飾したアウタードアハンドル
2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のダーククロームメッキで加飾したフューエルリッド
2010年に再販された「シビック・タイプR ユーロ」のダーククロームメッキで加飾したフューエルリッド

車両価格は、1年前のモデルより2万円高い300万円に設定された。

・・・・・・・・・
人気の台数限定の販売車は、対応が遅れると買いそびれることがある。追加の再販売はそんなファンにとっては有難いのかもしれない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

歴史 15時間前

キティちゃんとコラボ♪ ダイハツ「ミラジーノ・ハローキティ」は108.8万円~01年登場【今日は何の日?12月5日】

歴史 2025.12.04

ワゴンRよりちょい背の低いスズキ「MRワゴン」が97.8万円~01年誕生! タウンカー→ママ→若者とターゲットがコロコロ変化【今日は何の日?12月4日】

歴史 2025.12.03

走りもイケるトヨタ商用車「プロボックス/サクシード」にハイブリッド仕様を182万円~18年に追加【今日は何の日?12月3日】

歴史 2025.12.02

バブルの救世主、日産「ラフェスタ」が開放感ある室内をアピール、186万円~04年発売【今日は何の日?12月2日】

歴史 2025.12.01

“足のいいやつ”トヨタのスポーティセダン「カリーナ」が50.9万円~70年に初代登場【今日は何の日?12月1日】

歴史 2025.11.30

スバル「インプレッサ」、ハッチバックはスポーツ、セダンはG4を名乗り155万円~4代目誕生【今日は何の日?11月30日】