世界初公開の「Honda 0 α」はエントリーモデル

Honda 0 αは、今回の「ジャパンモビリティショー2025」がジャパンプレミアの場となるミッドサイズSUV「Honda 0 SUV Prototype」、フラッグシップサルーン「Honda 0 SALOON Prototype」に続く、Honda 0シリーズ第三のモデルとなるコンパクトSUV。
ホンダはこの「Honda 0 α」を「Honda 0シリーズの世界観の入り口となるゲートウェイモデル」、つまりエントリーモデルと位置付けており、2027年よりインドで生産を開始し、日本をはじめ世界各国で販売する計画を明言している。

なお、「Honda 0 SUV」と「Honda 0 SALOON」が北米を主眼としているのに対し、「Honda 0 α」は北米での販売を計画していないとのこと。また「Honda 0 SUV」と「Honda 0 SALOON」が新技術を満載し価格帯も相応に高くなると見込まれる一方、「Honda 0 α」はある程度装備を絞り込み、3万ドル(約450万円)以下の価格に収めようとしているようだ。

とはいえ「Honda 0 α」も、「Honda 0」シリーズ共通の開発アプローチ「Thin, Light, and Wise.」(薄い、軽い、賢い)を継承。このうち「Thin」の思想に基づいたパッケージ設計により、低全高スタイルと充分な最低地上高、薄型のキャビンながら広々とした室内空間を兼ね備える、としている。
その結果として「Honda 0 α」のエクステリアは、単独の写真では「Honda 0 SUV」と見紛うほどだが、写真や実車を見比べれば「Honda 0 α」の方が短く塊感があり、逆に「Honda 0 SUV」は伸びやかなスタイルなのが分かるだろう。
気になる日本での発売時期は、「Honda 0」シリーズの3車種とも、2027年度中になる模様だ。


「N-ONE e:」のホットバージョン「Super EV Concept」に期待
もう1車種のワールドプレミア「Super-ONE Prototype」は見ての通り、9月に発売されたばかりの軽乗用BEV「N-ONE e:」(エヌワンイー)のホットバージョン。2025年7月に開催されたイギリスで開催された「Goodwood Festival of Speed 2025」でヒルクライムコースを駆けた「Super EV Concept」(スーパーイーブイコンセプト)の進化版と言える。

しかもこれが単なるコンセプトカーではなく、「プロトタイプ」と銘打つ通り市販化を前提としているから驚きだ。
そのエクステリアには、空力性能と冷却効率の向上を主眼とした専用デザインの前後バンパー、迫力満点のブリスターフェンダーを装着。これに伴い前後トレッドも拡大され、旋回性能も大幅にアップされているようだ。

インテリアもN-ONE e:をベースとしながら、グレーを基調にブルーのアクセントが施された、クールな仕立て。

フロントシートはN-ONE e:のものより背もたれ・座面ともサイドサポートが高められるとともに、ブルーのアクセントが左右非対称に配置された専用スポーツシートに変更される。

さらに、専用開発の「BOOSTモード」も実装。これをONにすると、最高出力がアップするとともに、新型プレリュードに初採用された「Honda S+ Shift」と同様に、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムが連動し、有段変速機を備えたエンジン車のような迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを演出するという。
なお、このトレッド拡大と最高出力アップにより、「Super-ONE Prototype」は日本では軽自動車規格を超え、登録車扱いになる模様。そして、2026年より日本を皮切りに、イギリスやアジア各国でも発売する計画となっている。

「Honda 0 SUV」と「Honda 0 SALOON」以外のジャパンプレミア残り2車種は既報の通り、次世代EVプラットフォームを初めて採用し北米で2026年後半に発売予定のクーペSUV「Acura RSX Prototype」と、日本でも「e:FCEV」がリース販売されている6代目「CR-V」の「e:HEVプロトタイプ」。

このうち「CR-V e:HEVプロトタイプ」は、アコードハイブリッドにも採用されている高出力モーターを搭載。「ジャパンモビリティショー2025」の会場では、内外装に黒のアクセントを施した日本専用の「CR-V e:HEV RS BLACK EDITION」プロトタイプを展示している。



そのほか、ホンダブースでは新型プレリュードとCR-V e:FCEV、参考出品の「Honda Micro EV」を展示。10月30日以降はプレリュードがもう一台と、N-ONE e:も追加される予定。最新モデルと近い将来の市販モデルをいち早くチェックする機会を見逃すな!

