センチュリー:日本の伝統工芸を多用した、優雅な室内空間も白眉
トヨタは10月13日のトヨタイムズ生放送で、センチュリーブランドを立ち上げると発表した。合わせてオールトヨタを5つのブランドに再構築。スーパーラグジュアリーのセンチュリー、高級車のレクサス、フルラインのトヨタ、モータースポーツのDNAを継承するGR、「小さいからこそできること」にこだわるダイハツで展開していく。
JMS2025に展示するセンチュリー(クーペ)は、ハイエンドへのチャレンジ精神を表している。1967年に誕生したオリジナルのセンチュリー(セダン)は、ザ・ショーファーカー。法人やお役所の需要がメインで、運転は専任の運転手に任せ、重役や大臣クラスが後席でくつろぐイメージだ。

2023年に登場したセンチュリー(SUV)は、そんなショーファーカーに対するイメージを変えた。後席に広々とした空間を備える一方、オーナーが自らハンドルを握ってもいい。そんなキャラクターが付与された。
センチュリーのセダンがガチガチのビジネススタイルなら、SUVはずっとカジュアル。じゃあクーペはどうかというと、パーティースーツに身を包み、会場のあるラグジュアリーホテルに乗り付けるイメージだ。

室内空間は2+1のコンセプト。旅客機のファーストクラスのようにフルフラットになるオーナーのスペースが左側にあり、右側は運転席。その後ろにSPや秘書などの乗車を想定した補助シートがある。左側だけ大小ふたつのドアが前後にスライドして大空間を生む仕掛けとなっているのは(右側は通常のヒンジドア)、美しさや快適性の面で乗り降りの所作にもこだわっているから。
西陣織を採用したシートをはじめ、インテリアは天童木工や輪島の漆塗りなど、日本の伝統工芸を多用。運転席とオーナー席を仕切るパーティションの模様は豊田自動織機が扱っていた糸のイメージ。多分に「日本」を意識した仕立てだ。

パワートレインに関する発表はないが、長いボンネットの左右にルーバーが配されていることから、V型多気筒エンジンと電動化の組み合わせもあると妄想したくなる。前車軸の後ろにあるブレーキキャリパーはタイロッドが前引きでることを示しており、パワートレイン縦置きレイアウトの定番配置だ。

















































