トヨタ・カローラ コンセプト:セダンの枠を超えたルーミーな室内空間
「カローラ コンセプト」は見てのとおりセダンボディである。2026年に誕生60周年を迎えるカローラは「変化していくブランド」というのが、トヨタの認識。基本中の基本であるセダンもしっかり変えていく意思があることを、このコンセプトモデルは示している。このままの形での市販を示唆するモデルではなく、あくまでコンセプト。JMS2025の来場者を含め多くの意見を聞き、今後の企画・開発に活かしていきたいという。

市販化を前提にしたモデルではないようだが、パッケージングにはきちんと技術的な裏付けがある。特徴的なのは、フロントの短いオーバーハングと低いボンネットフードだ。フロントドアの前にバッテリーの充電状態を示すディスプレイがあるので電気自動車(BEV)と決めつけてしまいそうだが、BEVに限定していない。市場ごとに異なるエネルギー事情やクルマの使われ方に応え多様な選択肢を用意する「マルチパスウェイ」の考え方を採用しているとのこと。ゆえに、BEVもあればハイブリッド車(HEV)もあり、プラグインハイブリッド車(PHEV)も設定されるとの想像が成り立つ。プリウスよりちょっと大きめのボディを観察すると、充電および給油用(?)のリッドがフロントフェンダー左右とリヤバンパー左側に確認できた。

BEVの場合は前回のJMS出展車(レクサスLF-ZC)に適用した新開発の小型eアクスル(モーター+減速機)、HEVやPHEVの場合は2024年の『マルチパスウェイ・ワークショップ』で発表した低ハイトの新開発エンジン(1.5L直4)を搭載する前提なのだろうと予測する。

インテリアは運転席と助手席、それにリヤ席それぞれに最適な空間を提案している。運転席は運転に集中できるよう、助手席はリラックスできる空間とし、リヤ席(2名掛けに見えるが、中央にヘッドレストがあるので一応は3名掛けに対応)は包み込まれるような空間としている。広いグラスエリアとフラットなフロアが特徴。前席足元が広いのは、小型化したHVAC(空調ユニット)をモータールーム側に搭載しているからだろう。広々とした室内空間も見どころだ。


















































