ポルシェは既に、カイエンやタイカンに「ターボGT」を設定しているが、同じバッジがパナメーラセダンに初めて採用されるようだ。

ポルシェ パナメーラ ターボGT プロトタイプ スパイショット

ニュルブルクリンクで撮影された写真には、ターボGTのあらゆる特徴を備え、さらにそれ以上の精悍なブラックのパナメーラが写っている。大きく口を開けたエアインテーク、巨大なカーボンブレーキ、そして通常のポップアップ式リアウイングの代わりに巨大な固定式リアウイングを装備している。

ポルシェ パナメーラ ターボGT プロトタイプ スパイショット

現行タイカンには、GTSやターボS E-ハイブリッドという高性能モデルが存在しているが、特別高速走行に特化したモデルというわけではない。しかし、この新型パナメーラをパフォーマンス重視のクルマに仕立てているひとつのディテールがある。それは、ポルシェの最もワイルドな2シータースポーツカーにしか見られないものだ。

フロントフェンダーをよく見ると、フロントホイールの真上に鋸歯状のベントが配置されているのが見てとれるが、どこかで見た記憶があるはずだ。

これは718 GT4 RSや911 GT3 RSにも装備されているのと同じタイプのベントで、ホイールハウスに溜まってフロントエンドのリフトを引き起こす高圧エアを排出するために使用される。このようなハードウェアはラグジュアリークルーザーには不向きで、まさにサーキット走行の必需品と言える。

ポルシェはまだ何も発表しておらず、ましてやボディの内側がどうなっているのかさえ明らかにしてないが、このプロトタイプで興味深いのは、左側に燃料給油フラップがあることだ。現行のICEパナメーラは右側にフラップがあり、ハイブリッド車のみが左側に、充電ポートを覆う同じフラップを備えている。

大型で重量のあるハイブリッドは、サーキット走行に特化したパナメーラの出発点としては明らかに不適切だ。ポルシェは、カイエン ターボ E-ハイブリッドが最高出力739psを発揮するにもかかわらず、659psのカイエン ターボGTでは内燃機関エンジンに固執した。

しかし、タイカン ターボGTで重量級のクルマでも十分にこなせることを証明したということだろう。BMW M5、アウディ RS6、AMG Eクラスもハイブリッド車への移行を進めており、もはやハイブリッドは「遅い」時代ではないのかも知れない。

ポルシェ初の、サーキット走行に特化したハイブリッドスーパーセダン登場まであと1年と予想される。