雨さんが生み出したミッドシップロータリーチューンド

ターザン山田が夢のスーパーチューンドをストリートで試す

ここまで魔改造されていながら、ナンバー取得済みのフル公認仕様として公道を堂々と走れてしまうのだから驚きだ。

その長い歴史の中でRX-7ではない唯一のGReddy(グレッディ)が、1995年に「ミッドシップロータリーチューンド」というテーマで製作された“6”だ。面影など全く残っていないが、ベース車両は軽自動車のオートザムAZ-1である。

ヤマハOX99-11やマクラーレンF1をオマージュしたというボディは、AZ-1のモノコックボディを活かしつつ、パイプフレームを追加してカウルを被せるという手法でメイキング。エクステリアは全てRE雨宮オリジナルで、その独創的なレーシングシルエットは圧巻の一言だ。

なお、製作にあたってはポルシェのCカー(962C)を1台用意し、ミッションやサスペンション周りなどをフル移植している。

ダンパーもフォーミュラ用とし、スプリングレートはフロント1500ポンド(26kg/mm)、リヤが1600ポンド(29kg/mm)。アームの長さ、バネ下重量などから減衰力を計算。ストリートからサーキットまで走れるオールマイティなサスセッティングを目指す。

フロントローターは、実際にGT選手権に参戦していた雨宮マシンから移植。17インチのリーガマスターに収まるように外径を削ってサイズダウンしている。リヤはフェラーリF50のブレーキを流用。

走行性能を考慮し、路面スレスレまでローマウント化されたエンジンは20B改T78-33Dビッグシングルターボ仕様で、最高出力は500psというパワフルさだ。エンジンは重心を下げるために搭載位置を低くした上でドライサンプ化している。

室内が唯一AZ-1らしさを残す場所。エアコンはそのまま装備されていて、さらにカロッツェリアのオーディオ付き。油温、水温、油圧などの情報は全てスタックで管理する。シフトレバーの根元のみCカー用ポルシェ製を流用して、その他はシフトリンケージも全てワンオフで製作。ミッションは911系よりもシャフトが太くなっている。

このスーパーチューンドを公道で走らせたターザン山田は「超ソリッドでダイレクト! レーシングカー的なんだけど、乗りやすいんだよなぁ。ボディ剛性は高いし、下からブーストもビンビン立ち上がる。サーキットで全開アタックしても楽しいだろうね。いやぁ、ちょっと感動的ですらある。これがRE雨宮の技術力、さすが雨さんだよ!」と大絶賛。

「当初はこれで24時間耐久レースに出ようと思ってたから、お金も時間も相当かけたね。その後、ナンバーを取得したんだけど、車検の関係で燃料タンクは30Lの純正タンクでさ。燃費を考えると遠出ができないから、あまり乗らなかったなぁ」とは、製作責任者のRE雨宮・雨さん。

ちなみに、デビュー当時(東京オートサロン1996)のエクステリアカラーはレッドだったが、複数のオーナーの手を渡り歩く過程でホワイトにオールペイントされ、「GReddy6-AZ1 ’00 White Coler」というネーミングで東京オートサロン2001に再登場。来場客の視線を釘付けにしたのだ。(OPTION誌2001年4月号より抜粋)

●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007

「東名レース時代の伝説マシンが蘇った!」RE雨宮スーパーシャンテ13Bの全貌

80年代の伝説が現代に蘇る。RE雨宮スーパーチャンテ13Bは、フルコン制御の13B NAペリ仕様を搭載し、軽量ボディにワイドフェンダーやラダーフレーム補強を施したスーパーコンパクトロータリーだ。筑波サーキットでの走行でも、旧規格軽カーとは思えない俊敏な動きとレーシングライクな挙動を披露。公認車検も取得し、現在は新オーナーのもと第二の車生を送る、歴史と現代技術が融合したマシンである。

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