「センシングコア」技術概要と提供価値

センシングコアは、タイヤの回転により発生する車輪速データと車両に流れるCANデータ(車両制御情報)を解析することで、タイヤの空気圧、摩耗状態、荷重や路面状態、車輪脱落予兆などを検知するソフトウェア技術だ。新型「ギガ」に搭載される車輪脱落予兆検知は、走行中のホイールナットの緩みを検知するシステムである。異常検知時には、警告表示とブザー音でドライバーに注意を促す。これにより、従来の点検や経験を通じた検知に加え、走行中でもナットの緩みを検知できるようになり、車輪脱落事故の未然防止に大きく貢献することが期待されている。


車輪脱落予兆検知イメージ図

車輪脱落予兆検知機能:開発の背景

国土交通省の発表によると、2024年に発生した大型車の車輪脱落事故は120件に上り、その多くが冬タイヤへの交換後に発生し、死亡事故も確認されている。JATMA(日本自動車タイヤ協会)では、車輪脱落事故の防止に向け、適正な点検や増し締めの徹底など、車両整備時の基本的な対策を世の中に強く呼びかけている。一方で、ドライバーが走行中にナットの緩みに気づくことは難しく、予兆段階での検知を可能にする技術の確立が、業界全体の課題となっていた。