ベースはヤフオクで買った15万円の個体!
チューナーとして身に付けたスキルをフル投入
ストリートチューンドにアタックマシン、さらにはレーシングカーまでマルチにこなす関西屈指のホンダチューナーが、アスランの谷さん。今回ここで紹介するDC2は、チューニング業界へ飛び込む前からコツコツとイジってきたという自慢の愛機だ。

「最初はEK9を買って、走行会で無双状態でした。“俺って速い!”と勢いづいて鈴鹿のシビックレースに参戦しましたけど、ディーラーの給料じゃ資金が苦しくて2台ともに売却。ただ、走りは諦めきれず、サーキット用マシンを作るためにヤフオクで15万円で落札したのが、この丸目インテです」と当時を振り返る谷さん。
当初は軽さこそ正義と言わんばかりに外せるものは徹底撤去し、98スペックのB18Cに積み替えて走行会や耐久レースへ参戦。その後、レーシングカーも手掛けるトライボックスに転職してチューニング業界入りしたことで、身に付けたスキルをフル活用するように丸目インテはB20Bブロックを使っての2.0L化や、レーシングカー同様のボディ補強といったアップデートを重ねていった。

猛者の集う走行会を制覇するために製作されたB20Bベースのエンジンは、アキレス腱となるシリンダーライナーを補強加工。4連スロットルやキラーカムなど組み込んだ220ps仕様だが、使用パーツの大半は買ってきた事故車からの移植だ。
足回りはNA最速マシンに向けてのセットアップを手掛けた、TONさんのEG6からフィードバック。低速コーナーのメカニカルグリップを高めるためのスタビレスに合わせたオリジナルダンパー、バネ下重量を軽減するためのローター外径ダウンが施されている。
筑波1分切りを果たすためにワイド化された前後フェンダー。フロントは過去の経験から295/35R18が良いと分かっているが、最初に走行会をターゲットにボディ製作していたため、フェンダー内補強に干渉しない295/30R18を、軽量なボルクレーシングCE28Nプラス(11Jプラス16×18)と組み合わせた。なお、リヤは235/45R17&9.5Jプラス18×17というマッチングだ。


筑波は遠征費用がかさむため、岡山国際での1分40秒が筑波1分相当と捉え、隙間時間を利用して自身のドライブでサーキットアタックを実施。長らく寸止め状態が続くもカーボンドアとフロア下の空力改善を行なった2023年に岡山国際1分39秒1をマークし、その後は筑波59秒7と1分切りも見事果たしている。


15L安全タンクやカーボンルーフなど軽量化を進めてきたが、走行会仕様として徹底したボディ補強をおこなった関係から車重は900㎏前後とのこと。ボディに煮詰める余地はないため、次なる目標達成に向けてはK24換装やシーケンシャルミッションの投入を予定している。

今はまた冬眠状態となっているDC2だが、次なる目標を岡山1分37秒、筑波57秒に据えてのアップデートパーツは密かに確保済み。チューナーではなく、一人のインテオーナーとして取り組むサーキットアタック。その速さがどこまで突き進んでいくのか非常に楽しみだ。
●取材協力:アスラン 大阪府堺市南区別所238-2 TEL:072-349-4880
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