未だ進化を続けるフルチューンBNR32

カーボン製作のノウハウを活かし自身のパーツブランドも展開!

今回紹介するBNR32は、チューニングカーによるドラッグレースが最盛期だった時代、全国にその名を轟かせた「ザウルス軍団(884レーシング)」の中心メンバーとして活躍。2005年には仙台ハイランドで8秒95という記録を打ち立てたスーパーチューンドだ。

その後、シルバーボディに綾織りカーボンを大胆に貼り分けた独自のボディカスタムで、さらに存在感を増した一台、通称「須藤R」。オーナーの須藤さんが現在手がける「ナンバー7レーシングプロダクツ」は、まさにこのカーボンエクステリアがきっかけで立ち上げられたカーボンパーツブランドだ。

須藤さんは、このBNR32を登録済み未使用車(当時でいう新古車)として購入。卒業後に貯めた50万円を頭金に、最初はFD3Sを探していたところ偶然出会い、試乗した瞬間「一生乗るクルマだ」と直感。そのまま即決したという。車高を落とし首都高に通い詰め、ヒューズを抜いてドリフトも試した若かりし日々を経て、現在に至るまで一度も手放すことなく乗り続けている。

チューニングやメンテナンスは、現在に至るまで一貫してガレージザウルスが担当。搭載されるRB26DETTは、HKSのキャパシティアップグレードSTEP3キットで2.8L化され、純正クランク角センサーを上回る高精度さを誇るHKS製トリガーキットも最近追加された。

タービンはHKSのT51R-BBを組み合わせ、900psオーバーという圧倒的なパワーを発揮。インタークーラーはARCの3層式、マフラーはザウルス製チタン仕様で超軽量化。ミッションはOS技研のシーケンシャルを搭載し、公認車検も取得している。

足回りにはアラゴスタ製3WAYダンパーを装備し、スポーツ走行時の安定性と街乗りでの快適性を両立。ホイールはBBS LMの18インチをベースにリバレルで19インチ化し、タイヤはグループA車両の外径に近い275/35R19を組み合わせている。

インテリアは、ストリップボディにロールケージを溶接で組み込んだ構成で、まさに公道を走るレーシングカーの趣。屋根には、ドライカーボン製ルーフを製品化する前に試作したインフュージョンタイプのパネルを貼り込み、細部までカーボン素材の魅力を活かした仕様となっている。

カーボンカスタムは、素人時代にDIYで仕上げたとは思えない完成度。ボディサイドには極太ストライプ風に綾織りカーボンを貼り、独自のスタイルを構築。フロントフェンダーは社外品の片側20mmワイドがベースで、リヤフェンダーは型から自作した30mmワイドを装着。美しくカーボンを貼り込んだスタイリングは話題を集め、東京オートサロンにも出展された。

須藤さんが手がけるナンバー7レーシングプロダクツの人気アイテムは、ドライカーボン製ミラー(6万8200円)。往年のグループA車両の形状を再現し、BNR32やAE86、ハコスカ用を設定するほか、車種別取り付けプレートなしの汎用品(4万4000円)もラインナップする。

ドライカーボンステアリング(9万6800円〜)やドライカーボンタワーバー(BNR32用:14万8500円)も人気。R32用のインフュージョンカーボン製カウルトップパネル(7万7000円)は、リリースされたばかりの新作アイテムだ。

精力的なパーツ開発を続ける須藤さん。このBNR32は競技用ではなく、気晴らしのドライブを楽しむための一台として進化しているが、将来的にはエクステリアのリフレッシュも検討中。30年という歳月を共に歩んできた相棒とともに、これからも“走る楽しさ”を追求し続けるだろう。

⚫︎取材協力:Number7 Racing Products Mail:number7@liberal-n7.co.jp

「スカイラインGTS-tを愛し続けて34年」HCR32新車ワンオーナー370馬力仕様の軌跡

R32スカイラインGTS-tは、RB20改2.3L+HKS GT2535タービンで372psを発揮。内外装は純正を極限までキープしつつ、BNR34シートやNISMOフルスケールメーターで走行性能も追求。34年間オーナーに愛され続ける一台は、ナンバー付きながら筑波でも現役バリバリの走りを楽しめるマシンに仕上がった。

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