ドライブレコーダーはデジタルミラー一体型がトレンドに
ドライブレコーダーの装着率は2024年12月の調査で63.8%(パイオニア調べ)。その数字は毎年高まっており、新製品やより高性能なモデルへの買い替え需要も旺盛だ。そのような中で、今注目を浴びているのがデジタルミラー型ドライブレコーダーだ。

デジタルミラーは後席にパッセンジャーを乗せている時や荷室に荷物を満載している時でも後方視界が確保できるのが大きなメリット。また、車体が大きくルームミラーでは十分な視界が確保できないクルマにも非常に有効だ。さらに、昨今の高性能なカメラのおかげで、夜間などの暗い状況でも明るく見ることができる。

最近ではデジタルミラーを標準装備(あるいはオプション設定)するクルマも増えてきたが、非装備モデルやグレード、既存車については後付けするほかない。とはいえ、デジタルミラーにドライブレコーダーにと装着すればフロントウインドウまわりのアクセサリーが増えるし、リヤカメラに至ってはダブってしまうことになる。
そこで、デジタルミラーとドライブレコーダーが一体化したモデルが注目を集めている。現在、ドライブレコーダー市場ではデジタルミラー型が約20%まで伸びているそうだ。(パイオニア調べ)
エントリーモデル『VREC-MZ300D』
パイオニアはデジタルミラー型ドライブレコーダーとして『VREC-MS700D』をリリースしている。370万画素(WQHD)の高解像度カメラに「STARVIS2」を採用した「NIGTH SIGHT」に「HDR」による高画質と、静電タッチパネル11V型高輝度IPS液晶によるクリアで見やすく操作性も良い画面を備えた高性能モデルだ。

カメラは独立した前後2カメラタイプで、本体はミラーにバンド留め。ケーブルとコネクタの形状と装着位置を工夫してスッキリとした配線を実現しているのも美点となっている。また、リヤカメラはスモークガラスに対応しているほか、外付けも可能な耐候性(IP6)も備えている。
一方で、高性能モデルだけに価格は4万6800円(パイオニア公式オンラインショップ)と、デジタルミラーとセットと考えれば悪くは無いもののドライブレコーダーとしてはやや高め。

そこでパイオニアはエントリーモデルとして『VREC-MZ300D』を2025年10月に発表、11月に発売するとした。

『VREC-MZ300D』はカメラの画質を200万画素のフルHDとし、フロントカメラが本体一体型になっているほか、「NIGHT SIGHT」も「PureCel Plus」に変更された。とはいえ、「HDR」は『VREC-MS700D』同様だし、静電タッチパネル式の11V型高輝度IPS液晶も同じだ。

カメラの画角がやや減少しているものの(水平134°→111°/対角160°→134°)、物理ミラーに比べれば圧倒的に広い視野角が確保されている。視野角としてはルームミラー+サイドミラーくらいの広さがあり、左右後方の死角を大幅に減らすことができる。

しかし、デジタルミラーはその広い視野角のため後続車両が小さく見えることになる。また、通常のミラーと画角が大きく異なる点に違和感を覚えるドライバーも少なくない。そこで、パイオニアは両機種とも5段階、最大3倍までのズーム機能を備えている。

また、カロッツェリアの通常型ドライブレコーダー同様にオプションの駐車監視ユニット(RD-DR003)を組み合わせることで駐車監視機能を加えることができる。
価格はお求めやすく……3万円台前半と予想される
『VREC-MZ300D』はオープン価格となっており、実際に発売するまではわからない。実勢価格としては3万円台前半が予想されており、通常のドライブレコーダー+デジタルミラーと考えれば十分バリューな価格となるだろう。

現状では安心感のあるメジャーメーカー製品ではデジタルミラー型ドライブレコーダーの選択肢はあまり多くはない。デジタルミラーとドライブレコーダーの同時導入、あるいはデジタルミラー導入に合わせてドライブレコーダーを更新する際に、『VREC-MZ300D』の登場はユーザーの選択肢が増えるという意味でもありがたい存在だ。




