この燃料転換プロジェクトは、ベトナム電力公社(Vietnam Electricity:EVN)グループの第2発電総公社(Power Generation Corporation 2:EVNGENCO2)が手掛けている。EPC(設計・調達・建設)の契約者は、ベトナム建設省傘下のLILAMA CorporationとEVN傘下の第3発電総公社(Power Generation Corporation 3:EVNGENCO3)によるコンソーシアムで、三菱重工はこのコンソーシアムから主要機器を受注。三菱重工グループのシンガポール法人である三菱パワーアジアパシフィック(Mitsubishi Power Asia Pacific Pte. Ltd.)が、EPCのエンジニアリング支援および技術指導員の派遣を行う。

三菱重工は本年8月、オモン第1火力発電所に隣接するオモン第4火力発電所向けにも、115万5,000kW級のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核を担う最新鋭のJAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービン2台を受注しており、2028年の完成を目指している。ベトナムは、エネルギーミックスの多様化、石炭依存の軽減、天然ガスおよび再生可能エネルギーの拡大を目指す「ベトナム電源開発計画VIII(PDP8)」を策定している。三菱重工は、オモン第4火力発電所向けGTCC技術の提供に加え、オモン第1火力発電所向けにボイラーの燃料転換技術を提供することにより、本計画への支援をさらに強化し、2050年までにネットゼロエミッションを達成するというベトナムの国家目標にも貢献する。