
MVアグスタは、アドベンチャーモデル「Enduro Veloce」を欧州で発表した。Enduro Veloceは、イタリアンデザインと高精度エンジニアリング、そしてライディングの歓びを融合させた究極のアドベンチャーマシンだ。
オンロードとオフロードを自在に駆けるその設計思想は、美と機能を一体化させたMVアグスタ流のアプローチであり、2026年モデルではさらに装備を充実させ、2種類の新カラーと5年保証を追加して登場する。洗練と荒々しさを併せ持つスタイリングは、彫刻的なラインと完璧なバランスにより、ブランドの本質――美しさ・性能・情熱――を具現化している。
機能美を極めたデザインと空力性能

MVアグスタ・チェントロスティーレによってデザインされたEnduro Veloceは、流麗な造形と実用性を融合。コンパクトなテールとエアロダイナミックなフロントフェアリングが対をなし、ライダーを風から守りつつ堂々としたポジションと確かな操縦性を実現する。
大型スクリーンは風洞実験で最適化され、ヘルメット周辺の乱流を低減。フロントマッドガードとサイドパネルのエアアウトレットも実走テストを経て設計され、冷却効率と安定性を両立している。2026年モデルでは「Nero Intenso/Grigio Antracite」と「Bianco Perlato RC/Blu Nordico」という2種類の新色を追加。前者はスポーティでアグレッシブ、後者は上品でクラシカルなイタリアンデザインの粋を象徴している。
三気筒エンジンが生む軽快と躍動

心臓部にはヴァレーゼ本社で開発・製造される931cc直列3気筒エンジンを搭載。わずか57kgという軽量ユニットは、MVアグスタの代名詞ともいえる逆回転クランクシャフトを採用し、旋回時のジャイロ効果を抑えて俊敏なハンドリングを実現する。
最高出力は124hp/1万rpm、最大トルクは102Nm/7000rpmを発揮し、3500rpm時点で85%のトルクを発生。EAS 4.0クイックシフター付き6速ミッションにより、加速中でもクラッチ操作なしでスムーズな変速が可能だ。さらにバイパスバルブ付きエキゾーストがMVらしい快音を奏でつつ、Euro 5+規制にも適合する。
シャシーと電子制御が拓く万能性

スチール製ペリメーターフレームとアルミスイングアームを組み合わせた車体構造は、安定性と軽快性の理想的バランスを実現。リヤのサブフレームは着脱式で整備性も高い。サスペンションはSachs製で、48 mm径フルアジャスタブルフォーク(210 mmトラベル)とプログレッシブリンク式モノショック(210 mmトラベル)を装備。
シート高は850〜870 mmの可変式で、最低地上高は230 mmに達する。制動系はBrembo Stylemaキャリパーと320 mmフローティングディスクを前に、265 mmディスクを後に備え、どんな環境でも確実な制動力を発揮する。
電子制御系では6軸IMUがリアルタイムに車体挙動を解析し、コーナリングABS(RLM付き)、トラクションコントロール、エンジンブレーキ、スロットルレスポンスを統合管理。ライディングモードは「Urban」「Touring」「Off-Road」「Custom All-Terrain」の4種を用意する。7インチHD TFTメーターはWi-Fi/Bluetooth接続に対応し、MV Rideアプリ経由でナビゲーションや走行記録、コミュニティ共有も可能だ。
Enduro Veloceは精密さと情熱、機能美と冒険心をひとつにした、MVアグスタが描く“旅する芸術品”である。
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