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今日は何の日?

■レガシィ3代目の高性能モデルS401 STiバージョン登場

2002年にデビューしたスバル「レガシィS401 STiバージョン」

2002年(平成14)年11月12日、スバルは3代目「レガシィB4 RSK」をベースにSTIが手掛けた高性能コンプリートモデル「レガシィS401 STiバージョン」を発売した。水平対向2.0L 4気筒DOHC(EJ20)ツインターボエンジンやシャシー各所の高性能化を図ったプレミアムなスポーツセダンである。

スバルブランドの基盤を構築した初代レガシィ

1989年にデビューしたスバル初代BC系「レガシィ・セダン」

1989年2月に誕生したレガシィは、4ドアセダンと5ドアツーリングワゴンの2タイプで構成された。

初代「レガシィ」に搭載された水平対向エンジン(EJ20型)

注目の水平対向エンジンは、最高出力110psの1.8L 4気筒SOHCと150psの2.0L 4気筒DOHC、最強グレードRSに220psを誇る2.0L 4気筒DOHCターボエンジンの3機種を設定。トランスミッションは5速MTおよび4速ATで、駆動方式は5速MTがビスカスLSD付センターデフ式4WD、4速ATが電子制御多板クラッチのトルクスプリット式4WD。これにより、現在に続くスバルのコア技術であるシンメトリカルAWDが実質的に完成した。

1989年にデビューしたスバル初代BF系「レガシィ・ツーリングワゴン」

レガシィは当時のRVブームの後押しもあって、特にツーリングワゴンの人気が高まり、同年10月に2Lターボを搭載した200psの「ツーリングワゴンGT」が追加されると、その人気は一気に加速。レガシィ・ツーリングワゴンの人気に刺激を受けて、他メーカーからステーションワゴンが相次いで市場に投入され、日本にステーションワゴンブームが巻き起こったのだ。

「レガシィRS」が発売直前に米国アリゾナにて10万km連続走行、平均車速223.345km/hの世界記録を達成

一方のセダンも、「レガシィRS」が発売直前に米国アリゾナにおいて10万km連続走行で、平均車速223.345km/hの世界記録達成やWRCでの活躍もあり、高性能4WDというスバルブランドイメージの構築に成功して、スポーツセダンとして若者から支持された。

「レガシィRS」が発売直前に米国アリゾナにて10万km連続走行、平均車速223.345km/hの世界記録を達成

2代目、3代目とさらにパワーアップしたレガシィ

1993年にデビューした2代目BD系「レガシィ(セダン)」

1993年にモデルチェンジした2代目レガシィは、キープコンセプトで面構成のスポーティなスタイリングとなり、ボディ剛性や居住性、動力性能のレベルアップが図られた。特に250psの水平対向2.0L 4気筒DOHCツインターボ(2ステージターボ)の追加などで、ハイパワーエンジン+4WDのレガシィの魅力を高めて人気はピークに達した。さらに1996年のマイナーチェンジで、最高出力は280psに達した。

1998年にデビューした3代目「レガシィ(ワゴン)」

そして、3代目レガシィの登場は1998年6月、まずツーリングワゴンがデビューし、半年後の同年12月にセダンであるサブネームB4が付いた「レガシィB4」が追加された。ちなみに、B4はBOXERと4WDの頭文字の組み合わせである。

3代目 BE系レガシィからはセダンにB4の名が付いた

セダンB4は、居住性、快適性、走りのポテンシャルのバランスを追求して生まれた高剛性のエアロダイナミクスに優れた流麗なスタイリングを採用。また、セダン専用にチューニングされたサスペンションを組み合わせて、世界トップクラスのスポーツドライビングが実現された。

2001年に3代目レガシィはビッグマイナーチェンジを受け、セダンのB4 RSKが登場
3代目「レガシィB4 RSK」のリヤビュー

搭載エンジンは、グレードRSには最高出力155psの水平対向2.0L 4気筒DOHC、ハイスペックグレードRSKには280psの水平対向2.0L 4気筒DOHCツインターボ(AT車は260ps)の2種エンジン、トランスミッションはそれぞれに5速MTおよび4速ATが組み合わされた。

3代目「レガシィB4 RSK」のコクピット

レガシィB4に走りを極めるS401 STIバージョンを追加

2002年にデビューしたスバル「レガシィS401 STiバージョン」

2002年11月のこの日、3代目レガシィB4のターボグレードRSKをベースに、4WDスポーツの走りを追求しつつ、大人の感性を満たすプレミアムな味わいの実現を目標に開発された「レガシィS401 STiバージョン」がデビューした。

2002年にデビューしたスバル「レガシィS401 STiバージョン」のリヤビュー

パワートレインは、最高出力293ps/最大トルク35.0kgmの水平対向2.0L 4気筒DOHCツインターボと6速MTの組み合わせ。エンジンについては、吸排気系の変更、専用ECUの採用に加え、手作業によるピストン、コンロッド、クランクシャフトのバランス取りなどで最高出力13psの向上とスムーズな加速が実現された。

2002年にデビューしたスバル「レガシィS401 STiバージョン」のフロントシートとコクピット(カタログより)

駆動方式はビスカスLSD付センターデフ式4WDで、フロント部分にはフロントシェアトラックLSDを採用。その他にも、ステアリングギヤレシオをクイックな15:1に変更し、パワーアシストの油圧特性見直しやステアリング系全体の剛性アップが図られた。

2002年にデビューしたスバル「レガシィS401 STiバージョン」

ブレーキはブレンボ製とし、アルミホイールはBBS製、240km/hスケールのスピードメーター、マッキントッシュのオーディオシステムを採用するなど、こだわり満載のスペシャルカーである。

車両価格は435万円、400台限定で販売された。

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レガシィのSTI Sシリーズは、競技車両的なイメージからプレミアムな大人の感性を高める上質な走りを目指したモデルだった。ただし、S401はベースのRSKより約170万円も高額だったため、若者には手が届かないスペシャルカーだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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