次世代の空間を持つNEWスタイル

レクサスのフラッグシップは「LS」。高級車の代名詞、セルシオ由来のセダンだったLSが、まさかの大転身でジャパンモビリティショーの話題をさらっていったのだ。

「LS」は、ラグジュアリーセダンやサルーンの頭文字という認識が強かったが、このLSコンセプトの「S」が意味するところは『スペース=空間』である。多様化する現代においてのカーライフを考えたときに、新たな提案としての車内空間をレクサス流に表現。どうしてもスペース的な制約がある2列目、3列目をなんとかできないかと導き出したのが6輪車。レクサスが掲げるコンセプト「誰も真似できない革新」的な部分を具現化したアイデアだ。

リアホイール&タイヤを小径化することで、室内空間の確保と乗降のしやすさを両立。このパッケージからの改革は、もはや定番化していたミニバンのカタチをひとつ上の段階に押し上げたといっても過言ではない。コンセプトカーらしい、未来感のあるシルエットやライティングユニットなども見どころではあるが、本質はこの常識にとらわれない発想にある。

これまで「LS」といえば高級セダンであり、レクサスブランドのフラッグシップカーだったし、ミニバンといえばいまもLMが存在している。だが、このLSコンセプトを新型車の提案、さらにはLMの次期モデルとしてではなく、「LS」として提案している部分に、レクサスのこだわりが感じられる。LSをただミニバン化するわけではなく、レクサスのフラッグシップであるLSをこれからの時代に合ったひとつのカタチへと導き出した解、ということなのだろう。

ここで気になるのは、実際に市販化はありえるのか? という点。実車のコンセプトカーを見る限り、いわゆるコンセプトカー的な雰囲気よりも、現実的な作りに見えた。特に2列目と3列目はスペースさえあればLMやアルヴェルなんかにもフィードバックできそう。ただこのスペースはやはり6輪という恩恵が強いのも事実で、法規制なども含めこれからいろいろと煮詰めることが多そうだが、とはいえミニバンの新時代を大いに感じさせてくれる1台であることは間違いない。

LEXUS LS CONCEPT
コクピットまわりも未来的でモダンなデザインだがちゃんと現実味がある印象だ。アナログ的なスイッチもちゃんとありそうだし、ここらへんもリアルだ。

次回はジャパンモビリティーショーを総まとめ!!

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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年12月号 No.360より