さらなる魅力をまとう

イタリアの名門ブランドMoto Guzziが、自社の象徴的モデルであるV7において、2026 年モデルに向けた新たなカラーバリエーションを欧州で発表。特に “Stone” と “Sport” のバリエーションに目を引く新色が追加され、伝統とモダンが融合する魅力を一段と高めた。
従来から「クラシックでありながらも現代的な走り」を掲げるこのシリーズは、2021 年から853 ccの “Small Block” V-ツインを搭載し、最新の排出ガス規制Euro 5+に対応済みである。 今回の追加色は、見た目のアップデートに止まらず、モデルとしての成熟度を改めて印象づける機会となる。
2新カラーで印象刷新—Stone/Sport の変化

「V7 Stone」では、新たにサンド調のカモフラージュ柄 “Sabbia Camo(サッビア・カモ)” がラインナップに加わった。従来のダーク系無彩色とは異なり、砂地やアウトドアを想起させるトーンが、新たな方向性を示している。 一方「V7 Sport」には、伝統の “Verde Legnano(ヴェルデ・レニャーノ)” に加えて “Rosso Monza(ロッソ・モンツァ)” が選択可能となり、スポーティな印象を強める。
新色導入により、Stoneは「シンプルかつ精悍な佇まい」、Sportは「クラシカルかつ攻めのスタイル」という、同じV7ファミリー内でも明確な個性を打ち出している点が興味深い。
モデル進化の背景とシリーズ構成

このV7シリーズは、元来1960~70年代の名車V7系譜を現代に蘇らせたもので、近年では 853cc化(2021 モデル)により出力・トルクともに向上。 また、フレームや足回り、装備面でも順次アップデートされ、Stone/Special/Sportという三本柱のラインアップが明確になっている。
Specialは「クラシカルで上質な装い」、Stoneは「ミニマルで無駄を省いた佇まい」、Sportは「スポーティ&装備充実」という役割分担がなされており、今回のカラー刷新によりその差別化がさらに鮮明になった。加えて、電子制御ユニット・ライディングモード・クルーズコントロール・ABS/トラクションコントロールなど、走行性能・安全性能も現代水準に整えられている。
新色投入の意味とこれからの展望

カラー変更という一見「マイナー」な更新ではあるが、ブランド戦略としては極めて重要な意味を持つ。V7はMoto Guzziの中核を成すモデルであり、その印象がブランド全体のイメージに直結する。今回の「Sabbia Camo」や「Rosso Monza」追加により、若年層やカラーで魅力を感じるユーザー層への訴求力が強化される。さらに、クラシックモデルながら “現代にも通じるアップデートがなされている” というメッセージが視覚的にも訴えられており、既存オーナーのモデル乗換え・周辺モデルへの誘導にもつながるだろう。
また、Moto Guzziが2026年モデルに向けて着実な階段を上っていることの象徴とも言え、今後はさらなる限定モデルや特別仕様が展開される可能性も高い。カラー選択の幅が増えることは、個人の趣向に応じた「自己表現」としてのバイク選びを後押しする側面も持つ。
伝統あるブランドが、変化の中でその魂を守りながらも新たな魅力を纏う。V7の新カラー投入は、その好例と言える。今後、カラー以外にも細部の仕様変更や限定モデルの発表に注目したい。
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