
ICONIC SPは、RX-7の精神的な後継車に関する憶測を瞬く間に呼び起こし、マツダの幹部たちはその希望をつなぎとめようと躍起になっている。しかし、最新情報によると、コンセプトカーから現実車への道のりは、ファンが期待するほどスムーズではないかもしれないという。

2024年後半、マツダのデザイン責任者(当時)である中山雅史氏は、アイコニックSPは「市販モデル化を本気で目指して設計した」と述べ、CTO(最高技術責任者)の梅下隆一氏は、このモデルを「RX-7の後継車として有望視されている」と語っているが、プロジェクトにはまだ大きな壁があるようなのだ。
梅下氏は、外誌のインタビューで、アイコニックSPの開発状況について、「個人的な意見ですが、これは私の夢の車です。実現させたいと考えています。技術的には可能だと信じています。残る問題は資金面だけです」と財政的困難を認めている。
たしかに同社は現在、EV専用プラットフォーム、新しいハイブリッドシステム、そして近日発売予定のSKYACTIV-Zエンジンの開発に追われており、スポーツカーへの投資は、投資計画の最優先事項ではないかもしれない。
しかし、RX-7後継への情熱は決して色褪せたわけではない。JMS2025で発表されたVision X Coupeコンセプトは、マツダがロータリーエンジンの夢に背を向けていないことを示していると言っていいだろう。
Xコンセプトは、ターボチャージャー付き2ローターロータリーエンジンを搭載したハイブリッドユニットを搭載しており、マツダがロータリーエンジンの技術に依然として投資していることがわかる。
このPHEVシステムは、ターボチャージャー付きロータリーエンジンと電気モーターを組み合わせ、合計出力510ps/375kWを発揮、カーボンキャプチャー技術も搭載している。このパワートレーンをそのままRX-7後継モデルに流用する可能性もありそうだ。
梅下氏の「ロータリーエンジン開発チームを再編しました。私たちのDNAはスポーツカーにあると認識しています。ですから、決して諦めたとは言いません」という、情熱が実る日を楽しみに待ちたい。







