BNR32の“美”を極めたR-IIIのレプリカマシンを製作中!?
900psオーバー&ラグジュアリー。R-IIIが提示した新しいGT-R像
名門チューニングショップ“ヴェイルサイド”の横幕代表は、もともとRRCドラッグレースで連戦連勝を飾った実力派チューナーだ。その経験を経て、「速さだけでなく、優雅で洗練されたスタイルを併せ持つクルマを作りたい」という思いから、1990年にヴェイルサイドを立ち上げた。

最新のBNR32をデモカー“R-I”として投入し、谷田部の0-300km/hテストやドラッグレースで無敵の記録を樹立。この圧倒的な速さの証明が、次に進むべき方向性を決定づけた。

「R-Iで速さを極めたなら、次は“美しさで感動させるGT-R”を作ろう」。その答えとして1993年の東京オートサロンでデビューしたのが、R-IIIである。
ハイパワー化に対応するために生まれたのが、R-III最大の象徴である“ブリスターフェンダー”だ。これは単なるデザインではなく、本来は機能パーツとして開発されたもの。しかし、その圧倒的な造形美が時代のムードを一変させ、後のブリスターブームを生む火付け役となったことは言うまでもない。

エンジンはRB26DETT改RX6ツインターボで900psオーバー。インテリアは2シーター化と革張り仕立てを施し、当時としては極めて異例の“ラグジュアリー×ハイパワー”を両立。機関系から内外装に至るまで、完全に“新しいGT-R像”を打ち出した一台だった。

そして今、ヴェイルサイドで進行しているのが、このR-IIIのレプリカ製作プロジェクトだ。過去にヴェイルサイドが製作したBNR32を購入したオーナーが、その車両を持ち込み、「当時の世界観を再現してほしい」と依頼したことからスタートした。


外装のレストアは大詰めを迎え、ワイドボディ本来のラインが再び力強さを取り戻している。今後はエンジンルームを含め、当時のコンセプトをそのまま再現していく予定だ。

「ただ速いだけじゃなく、“速くてカッコいい”ことこそストリートカーの大前提だと思っていました。常にスタイリッシュなチューニングを追い求めていて、その考えに共感してくれる人が多く、全国から本当にたくさんのGT-Rが集まってきて、みんな競うようにチューニングしてくれた時代でしたね」と横幕さん。


さらに続けて、「そんな空気の中で、ふと“速いのは当たり前。なら、走らせなくても感動できるスタイルを作りたい”と思うようになっていったんです。その延長線上に生まれたのが、C-1(コンバット)やフォーチュンといったシリーズでした」と語ってくれた。

還暦を過ぎた今も、造形は頭に描いたイメージを手作業で具現化するスタイル。その姿勢こそがR-IIIという名車を生み出した原点であり、今回のレプリカにも変わらず注ぎ込まれている。
●取材協力:ヴェイルサイド 茨城県つくば市真瀬1250-3 TEL:029-838-1104
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