2018年の新型Gクラスは、正確にはビッグマイナーチェンジ

メルセデス・ベンツGクラス。写真は2010年3月時
メルセデス・ベンツGクラス。写真は2010年3月時

メルセデス・ベンツ「Gクラス」の初代は、1979〜1990年までという長寿モデルだった。2代目の「W463」は、1990年にデビューし、日本には翌年に上陸した。

現行型は、厳密には2代目になる。2018年のビッグマイナーチェンジでは、型式が「W463」から「W463A」になったが、日本で行われたプレス向け発表会で関係者に聞くと、ドイツ本社では、「フェイスリフト」と呼んでいたそうだ。ただし、本稿では分かりやすくするため、便宜上、1990年登場の2代目、2018年の3代目と分けることにする。

予算500万〜800万円だと2代目(大幅改良前)が現実的な選択肢

2018年6月のビッグマイナーチェンジ時のGクラス
2018年6月のビッグマイナーチェンジ時のGクラス

予算500万〜800万円だと、2代目が中心となる。3代目になると800万円以下がわずかに流通している程度で、3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボを積む「G350d」搭載モデルの一択だ。

2代目であれば、一気に選択肢が増す。モデルサイクル内で、基本的には大きく変わっていないため、年式よりも走行距離の長短、つまり、コンディションにより価格が左右される傾向にある。3万km以下の低走行車は、800万円以下で物件数は少ないものの、5万〜7万kmであれば700万円以下でも物件数が増加する。

予算500万〜800万円で2代目を狙う場合、やはり「G350d」が圧倒的に多く、5.5リッターV8を積む「G550」も数は少ないものの流通している。そのほか、3.2リッターV6の「G320」も散見される。この価格帯では、選択肢の多さも考慮すると、2代目の「G350d」が現実的だ。

不人気!? レンジローバーの2代目、3代目は物件数が少ない

初代レンジローバー(レンジローバー・クラシック)

ランドローバーの最上級ブランドである「レンジローバー」。中古車市場では、初代のレンジローバー・クラシック(いわゆるクラシックレンジ)の「バンデンプラ」がわずかに流通。以前からマニアから愛されてきたが、ヤングタイマーのブームもあってか予算500万〜800万円でもあるものの、価格が要応談になっている個体も。コレクターズアイテム化しているのだろう。

1994年登場の2代目は、翌年に日本に上陸した。物件数は少なく、2025年11月末現在の平均価格200万円強となっている。当時は初代のクラシックレンジが継続生産されていて、人気を集める初代とは明暗が分かれている。4.6リッターV8を積む「4.6 HSE」、4.0リッターV8の「SE」が中心で、「4.6 ヴォーグ」も散見される。2代目に限らないものの大小を問わずトラブルは少なくないようなので、想定外の出費も織り込み済みで狙いたいところだ。

2代目レンジローバー(P38シリーズ)

2002年にデビューした3代目も物件数は少なく、平均価格は2代目よりもさらに低く、200万円を切っていることも。BMWからフォードに開発が変わったことも不人気を後押ししているのかもしれない。2代目と同様に、トラブルに見舞われるケースが多いようで、格安だからと飛びつくのはそれなりの覚悟がいるだろう。

レンジローバーの現実的な選択肢は、物件数が多い4代目

4代目レンジローバーのエクステリア
4代目レンジローバーのエクステリア

インドのタタ傘下になり開発された4代目は、日本では2013年に販売をスタート。オールアルミ製モノコックボディになり、一気にモダンになった内外装デザインが特徴で走りも洗練された。平均価格は660万円ほどで、物件数は豊富とはいえないものの、十分に現実的だ。

3.0リッターV6、5.0リッターV8を積む「ヴォーグ」、「オートバイオグラフィー」などが流通量が多い。中でも中低速域から豪快な加速を引き出すスーパーチャージャー搭載車が人気だが、燃費には目をつぶる必要がありそうだ。予算内でも走行距離が5万km以下の個体も狙えるのは魅力だろう。

レンジローバーは4代目が現実的だ。ヤングタイマーに相当する初代はコレクターズアイテム、2代目と3代目は不人気であることが物件数や価格からも明らか。なお、現行型は、中古車市場でも1000万円超の物件のみとなっている。

2台の人気SUVを予算500万〜800万円で狙うと、Gクラスは、2018年のビッグマイナーチェンジ前が2025年11月現在の基本的な条件になり、年式よりも走行距離などのコンディションにより価格設定がされている傾向にあることがよく分かる。一方のレンジローバーは、マニア向けのクラシックレンジをのぞき、同価格帯では、4代目を選択するのが無難だろう。4代目でも「テレインレスポンス2」ともに備わるエアサスペンションのトラブルが比較的多いようで、要チェックポイントといえる。

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