2026年にEV世界販売台数150万台は達成できるのか?
トヨタはEV市場の深刻な冷え込みにより、福岡バッテリー工場建設計画の2度目の延期を決定、需要の減少により戦略の見直しが迫られている。
この決定は予想外ではないものの、世界的なEV需要の変動の中で、同社の慎重な姿勢を浮き彫りにしている。ただし、工場建設は予定通り進めるとしているようだ。
トヨタは、25年2月、福岡県北東部の開発中の工業団地にあるこの用地を約60億円で購入、立地協定において、3年以内に建設を開始することに合意している。

しかし、トヨタは3月にEV需要の落ち込みを理由に、同工場での作業を延期すると発表したのだ。その後、11月には福岡県知事が報道陣の取材に対して、同工場での作業が2度目の延期となったことを発言している。
【お詫びと訂正】本記事の初出時には「福岡県知事とトヨタ社長の合同会見で発表された」と記載していたが、事実関係の確認に誤りがあったため、内容を修正いたしました。2025年11月22日
報道によると、生産開始は当初2028年を予定していたが、最新のスケジュールはまだ発表されていない。
同社は、2026年3月期のEV世界販売台数見通しを、従来予想の27万7000台から10%引き下げている。しかし、トヨタは、2026年にEV世界販売台数150万台を達成するという目標を含む長期目標の調整を否定していない。だが、この数字は、市場環境の変化に応じて変更される可能性があるかもしれない。

トヨタはEV戦略に消極的になったわけではなく、慎重に見極め、かつ弱めることなく進めている現実もある。これは、トヨタが依然として新型電気自動車と工場への多額の投資を続けていることからもわかる。トヨタは、レクサス向けEV生産のため、2027年頃の中国・上海新工場開設に向けて引き続き取り組んでいる。この工場では、数年前にコンセプトカーとして発表されたLF-ZCとLF-ZLの生産が予定されている。
先日、世界のメーカーがEVに一気に方向転換した頃、トヨタは冷静に時代を見極めていたという記事を公開したが、現在も将来を見据えているようだ。新工場を急いで建設しても、結局は稼働停止、あるいは一部生産しか行わない可能性があるため、EV販売台数が大幅に増加すると確信するまでは、じっくりと市場を睨んでいるようだ。
果たしてそのタイミングはいつ訪れるのか、トヨタが動くとき、EV市場に大きな波がやって来るに違いない。






