3年がかりで仕上げたトラックスタンス仕様!
細部の形状までこだわり抜いたド迫力のワイドボディ!
GT-Rの象徴とも言えるブリスターフェンダーを本家以上のボリュームで4ドアに馴染ませ、フロント10J&リヤ12Jという深リムを履きこなしてきたER34型スカイライン。
現在はカーショーを主体としているが、心臓部となるRB25DETは最新パーツを意欲的に採り入れて480ps仕様にセットアップし、ドリフトも楽しめるトラックスタンス仕様だ。

そんな作り込みで魅せたオーナーはというと、驚くことに弱冠26歳。オンリーワンのクルマ作りをコンセプトに掲げ、19歳の頃からER34と向き合ってきたこだわり派だ。
「最初に買ったのはGC8でしたが、とにかく修理に追われて足回りやホイールぐらいしかいじれない。そこで目を向けたのが、ワイルド・スピードを見てカッコいいなと気になっていたR34です。カスタムだけでなくドリフトも楽しみたかったので当初はER34の2ドアを候補にしていましたけど、GC8の使い勝手が良かったので4ドアを選択。将来的にエンジンスワップする前提で、2.5L・NAながら足回りやブレーキがターボ仕様になっていて車両価格も手頃な25GT-Vを購入しました」とは、オーナーの内山さん。

ちなみに、内山さんは整備士ということもあり、カスタムやチューニングはノウハウの要求されるECUセッティング以外、自ら仕上げている。ただ、ER34を手に入れた当時は若かったため、2年ほど購入時のRフェイス仕様のまま我慢。目指すスタイリングや作り込みのイメージを膨らませてきた。

「結婚して子供が生まれるタイミングと重なり、クルマ弄りは当分我慢と考えていたら、ER34ターボの事故車が手に入ったんです。奥さんにはエンジンスワップだけと約束して作業をスタートさせたのですが、スワップするならワイヤータックもやりたい、ヤレたボディを綺麗にするなら深リムが履けるサイクルフェンダーも作らなきゃ…といった感じで、どんどんエスカレート。結局3年掛かりで仕上げました」。

精悍かつスポーティなZチューンフェイスを磨き抜くように、ネガキャン10度のトレッドアピールで存在感あるワイド&ローへと導く。当初はガンメタでのオールペンを予定していたが、重厚な陰影でワイドボディが映えるマツダ純正チタニウムブラッシュマイカを軸に、スモークレンズで色数を抑制する。

RB25のタペットカバーは少し貧弱な印象を受けることからRB26用に変更し、ヘッドチューンしたRB25DETをインストール。ワイヤータックですっきりさせるだけでなく、エンジンが浮かび上がるような仕上がりを狙って、ピンクパールを混ぜたホワイトでエンジンルームをペイント。尚、切れ角の確保や深リムを履きこなすため、サイクルフェンダーを製作している。

知人から譲り受けたMANBA2971Rは、ターボスマートのウエストゲートや6ブーストのエキマニといった最新パーツとともにセットアップ。母材の高さや溶接機器の関係からパイピングはアルミでなくステンレスを使用したが、その焼け具合も好アクセントとなっている。

製作当初はワイヤー式のままリンクG4Xで制御していたが、AACバルブの不調から純正交換よりも手頃で高性能な制御ができる電スロ化を決意。ECUセッティングに定評がある和歌山のネオスタイルに依頼して、アンチラグシステムを備える480ps仕様にアップデートした。

ファミリーカーのステージアに履かせたクレンツェ・バズレイアの躍動感が気に入り、それまでのマイスターS1に変えてマッチング。入手した10J-マイナス20×18に合わせて、オオクボファクトリーのフロントフェンダーは加工を施し既製品からさらに15mmワイドでリメイクした。

スモーク化でトーンを落とした2ドア用テールには、鯉や桜をエングレービングであしらい、JDMらしさを注入。片側45mmワイドのNeksa製リヤフェンダーがボディに違和感なく馴染むようにレンズガーニッシュは段付き解消されている。


エンジンルームの流れを汲み、白×黒で纏めたインテリア。レザー張り替えのレカロシートやアルカンターラ仕上げのダッシュボードで質感を高める一方で、牛をイメージさせるロールケージで遊び心も注入する。

ゆくゆくはRB26搭載も視野に入れながら、魅せる・走る・弄るとR34スカイラインを全力で楽しむ内山さん。オンリーワンの追求がどのように進化していくのか、この先も目が離せない。
●取材協力:ネオスタイル 和歌山県紀の川市貴志川町井ノ口1481-5 TEL:0736-64-4590
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