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今日は何の日?■プラッツの後継となるコンパクトセダンのベルタ

2005年(平成17)年11月28日、トヨタから「ヴィッツ」の派生車「プラッツ」の後継車として「ベルタ」がデビューした。2005年にモデルチェンジした2代目ヴィッツをベースにして、後部にトランクを設けた3BOXセダンだが、1代限りで生産を終了した。
ヴィッツ派生のコンパクトセダン「プラッツ」

新世代コンパクトカー「ヴィッツ」は、1999年1月にデビューした。従来のシンプルな2BOXのコンパクトカーでなく、丸みを帯びた世界に通用する欧州車風のハッチバックスタイルを採用。ロングホイールベース化することで広い室内空間を実現し、さらにワンランク上のインテリアで上質感をアピールして世界中で大ヒットした。

ヴィッツから7ヶ月遅れの1999年8月、ヴィッツをベースにした5人乗り4ドアセダンの「プラッツ」がデビューした。全長はヴィッツより535mm長く、独立したトランクルームを設けてフロントとリヤ周りを専用のデザインとしたが、ホイールベースや全幅、全高のサイズはヴィッツと共通だった。
スタイリングは、専用デザインのヘッドライトとグリル形状にすることで、ヴィッツよりややソフトな雰囲気となった。パワートレインは、ヴィッツと同じ1.0L 直3 DOHCと1.3L 直4 DOHCエンジンに、最高出力110ps/最大トルク14.6kgmの1.5L 直4 DOHCエンジンも加わり、トランスミッションはヴィッツと同じ5速MTと4速ATが組み合わされ、駆動方式もFFおよび4WDが選べた。
ヴィッツと同様、革新的なコンパクトセダンのプラッツも人気を獲得したが、ヴィッツの大ヒットの陰に埋もれて存在感はやや薄かった。
プラッツの後継は美しいシルエットのベルタ

プラッツは、2005年11月に生産を終了し、プラッツのコンセプトを受け継いで同時期の11月のこの日、後継車として「ベルタ」がデビューした。イタリア語の“美しい、美しい人”という意味から名付けられたベルタは、2005年2月に登場した2代目ヴィッツをベースに、後部にトランクを設置したコンパクトな3BOXセダンである。

ベルタのスタイリングは、トヨタのデザインフィロソフィに基づき、セダンらしい伸びやかなキャビンと弓なりのベルトライン、ロングホイールベースによって、躍動感のあるベルタの名に恥じない美しさとクラスを超えた上質感が強調された。

ベルタ最大の特徴は、ヴィッツと同じホイールベースながら、全長はヴィッツより415mm、プラッツより120mm延長することで、クラストップレベルの後席スペースと大容量のトランクを持つこと。また、最小回転半径や燃費性能はクラストップレベルを誇った。

エンジンは、最高出力71ps/最大トルク9.6kgmを発揮する1.0L 直3 DOHC、87ps/11.8kgmの1.3L 直4 DOHCの2種エンジン、トランスミッションは、Super CVT-i(FF)および4速ATのSuper ECT(4WD)が組み合わされた。

車両価格は、2WD仕様で132.3万~149.1万円(1.0Lエンジン車)/138.6万~155.4万円(1.3Lエンジン車)に設定された。
ベルタの後継車は、ダウンサイジングしたカローラアクシオ
ベルタは、結局1代限りで2012年6月に、フルモデルチェンジした「カローラアクシオ」に統合される形で販売を終了した。

カローラは、世界戦略車として徐々に大型化・上級化してきたが、2012年5月にモデルチェンジした11代目カローラのセダン「カローラアクシオ」は、日本専売車としてプラットフォームをワンクラス下のヴィッツ用を使い、ホイールベースはそのままでボディ(全長)とエンジンをダウンサイジングして、国内向けに最適な本来のカローラへの原点回帰を図った。
エンジンは、先代の1.8L/1.5Lから1.5L/1.3L直4 DOHCへ排気量を縮小。また車両価格は、2WD仕様で137.5万(1.3L)~190万円(1.5L)とベルタとの差は大きくない。こうなると、ベルタとの差がなくなり、車種整理でブランド力のあるカローラアクシオの方が生き残るのは至極当然となるわけだ。
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希少なコンパクトセダンでしかも1代限りで終わったことから、市場でのインパクトはそれほど大きくなかったベルタ。しかし、プラッツとともにコンパクトセダンの灯を消すことなく、カローラアクシオにバトンを渡した功績は大きいのではないだろうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。
