デビュー時は「200 d」「250 4MATIC スポーツ」を設定

今回はメルセデス・ベンツ最小モデルの「Aクラス」とプラットフォームを共有するコンパクトSUV、「メルセデス・ベンツ GLB」をピックアップする。GLB最大の特徴は、なんといっても4.6m台の全長でありながらサードシートを備えている点だ。
メルセデスは、安全上の理由から3列目は身長168cm以下(推奨)と定義している。確かに窮屈な姿勢になる乗降性も考慮するとエマージェンシーの域は出ないものの、対象身長以下条件下であれば急なゲストを迎える場合などに重宝するだろう。国産、輸入車を問わず3列シートのコンパクトSUVは少なく、それだけでも価値がある。
登場時のパワートレインは、「GLB 200 d」向けの2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ、「GLB 250 4MATIC スポーツ」に搭載される2.0リッター直列4気筒ガソリンターボの2機種。両エンジンともに8速DCTの「8G-DCT」が組み合わされている。

2021年1月、最高出力225kW(306PS)、最大出力400Nmを誇る2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ搭載車の「メルセデスAMG GLB 35 4MATIC」が追加された。さらに同年4月には1.4リッター直列4気筒ガソリンターボを積むエントリーグレードの「GLB 180」とディーゼル+4WDの組み合わせになる「GLB 200 d 4MATIC」を追加した。
2023年11月にマイナーチェンジを受け、内外装デザインが刷新され、装備の強化も盛り込まれた。直近では、2025年8月にスタイリッシュな「GLB 180 Urban Stars」、「GLB 200 d 4マティック Urban Stars」が加わっている。
2025年11月末時点での平均価格は510万円程度

2025年11月末時点での中古車平均価格は、510万円強となっていて、最も多いのはデビュー年の2020年型。車両価格は約450万円が最大のボリュームゾーンとなっている。この2020年式、450万円級の価格帯では、「200 d」が約85%を占めていて、「250 4MATIC スポーツ」は約15%と少数派だ。両モデルともに「AMGライン」装着車が大半を占めている。
次に多いのは2024年式で、570万円以上の価格帯が最も豊富に揃っている。「200 d」が約57%で1.3リッターガソリンのエントリーモデル「180」が約43%となっている。
選択肢が圧倒的に多いのは「200 d」で、デビュー時に用意されたFFのほか、4WDの「4マティック」も選択できる。ただし、4WDの「200d 4マティック」は2021年式以降になる。中古車を買う際には、選択肢が多い方が理想的でGLBの場合は、「200 d」がベストチョイスということになるだろう。
ベストチョイスは物件数が多い2020年式の「200 d」

また、GLBの中古車価格を左右しているのは、エンジンの種類や排気量ではなく、ほかの多くのモデルと同様に、走行距離の多少(長短)という傾向もある。それに加えて、低年式であることがリーズナブルな価格設定につながっている。2020年式、2021年式の「200 d(FF)」が最もお得に買えるのが現状だ。先述したように2021年式以降であれば4WDも選択肢に入ってくる。
現在の平均価格は500万円を超えているが400万円台前半でも「200 d 4マティック」も十分に狙える状態にある。降雪地域の方はもちろん、スキー場でウインタースポーツを楽しむ人にもオススメだ。ディーゼルターボならではのトルキーな走りと軽油ですむランニングコストも魅力だ。

あるいは、街乗り中心であれば「180」のコンディションの良い個体も狙う手もある。ただし、エントリーグレードの「180」だから安いということもなく、排気量の大小で価格設定はほとんど変わらないという現状もある。新車購入時と同じように、高速道路も使う長距離走行が多いのか、ちょい乗りが多いのかなど、乗り方、使い方で判断するのも大切だろう。

