MEBプラットフォームの最新進化版を採用
フォルクスワーゲン(以下VW)の命運を握ると噂されている、次世代コンパクト電気クロスオーバー、市販型プロトタイプをスクープ班のカメラが初めてとらえた。
この新型モデルは、9月に開催されたIAA2025で初披露された「ID Cross」コンセプトの量産バージョンであり、ID.ポロのクロスオーバーバージョンとして投入されるが、はるかに人気が出ると予想されているモデルだ。
スペインで捉えたプロトタイプは、まだ渦巻き模様のカモフラージュで覆われているものの、量産型はオリジナルのコンセプトカーに驚くほど近い印象を与えている。また、短いオーバーハング、丸みを帯びたノーズ、そしてわずかに絞り込まれたテールを備得ている様子も伺える。

実車は、小さなフットプリントから最大限のキャビンスペースを確保するために設計されたコンセプトカーの数値に近いものになると見られている。全長は約4,160mm(163.8インチ)で、北米のタオスよりも短く、サブコンパクトEVクラスのちょうど中心に位置している。

フロントエンドでは、コンセプトで見たスリムなヘッドライトを装備、現段階では隠されているが、コンセプトカーの黒いCピラーに埋め込まれた3つの照明付きの長方形も、間違いなく採用されるとみられる。また、後部ではテールライトもコンセプトを彷彿させる。
ID.ポロのボディ内部には、小型EVの新世代前輪駆動モデル向けに調整されたMEBプラットフォームの最新進化版が搭載されている。キャビン内では、大型インフォテインメントスクリーン、改良された物理スイッチ類が、採用されるはずだ。
さらに、このコンセプトカーからの継承が期待されるディテールは、折りたたみ式シートだろう。コンセプトカーでは、前席と後席を折りたたむことで、前後にわたって完全にフラットな荷室空間を実現できる。ほぼシームレスで、隙間はセンターコンソール付近の小さな隙間だけだ。この小型クロスオーバーで、荷物を多く積んだり、車中泊したりするのに最適だろう。
コンセプトカーは、最高出力約211ps /155kWのシングルモーターエンジンを搭載すると発表されており、これは量産モデルの現実的な目標値になる。ただし、アクセシビリティを向上させるために、より低出力バージョンもラインナップに加わると予想される。
バッテリー容量を明らかにしていないものの、WLTP電気走行距離は261マイル(420km)と発表しており、これは来年世界デビューを飾る実車がどのようなツーリング性能を発揮するかを示唆する確かな指標となるはずだ。
ID.クロス市販型は、2026年夏に生産開始予定で、価格は3万ユーロ(約471万円)以下と予想されている。



























