目指したのはクイントインテグラのタイプR!

随所にDTMのエッセンスも投入した超大作

1980年にアコードとシビックの中間的な存在として、プレリュードの流麗さも備える上質な5ドアハッチバックとして登場した初代クイント。2代目へのフルモデルチェンジでは3ドアハッチバッククーペからのラインナップとなり、全車がDOHCエンジンを搭載することでスポーツイメージを強調。その際に車名を『クイントインテグラ』に改め、後のインテグラに続いていくことになる。

取材車両のクイントインテグラは、1989年式の最終型。もともと1.6L DOHCのZCエンジンと5速MTを搭載していたGSiモデルで、“ファイブマート”代表の古川さんが保管していた個体を、28歳(取材時)の若きオーナーに移譲。エンジンスワップを始めとするチューニングが施された。

エンジンは4連スロットル化したB18C・96スペックRに換装。ヘッドには戸田レーシングのAカムとバルブスプリングが投入され、排気系は戸田レーシング製エキマニと大阪JDMワンオフマフラーを装備。制御はB18C純正ECUの書き換えで行なっている。

HASPORT製のエンジンマウントとCR-X用サスメンバーを流用してB18Cスワップを実施。Rywireのミルスペックハーネスを駆使してエンジンルームの美観にも拘っている。トランスミッションはDA6/8後期用のYS1を搭載する。

ボディカラーに合わせたレザーと、グレーのツイードで張り替えられたインテリア。メーターをアキュラ・インテグラ用に交換する他、メーターグリップロイヤルのステアリング、ハイブリッドレーシングのシフター、コンチネンタルのBluetooth対応1DINデッキを装備。

エキゾーストマフラーは、ファイブマートによるワンオフメイド。純正の取り回しで60φに大径化したメインパイプに、DTM風のルックスを意識して後端を跳ね上げた53φ×2のテールで、リヤビューのシャープさを強調する。

深みのあるボディカラーは、ライフやバモスなどに採用されるプレミアムクリスタルローズ・パールだ。ホイールはメルセデス・ベンツ190EなどDTMでも装着されたOZ・ラリーレーシングをセレクトする。ブレーキはNSXからの流用とのこと。

80年代風味のビジュアルと、現代も一線級の平成スペックの注入。内装もクリーンに張り替えられ、隙なく上質なオリジナル・インテRを完成させている。

Photo:Akio HIRANO
●取材協力:ファイブマート 大阪府羽曳野市西浦984-1 TEL:072-950-5050

「FFのDC2インテグラがFR化したら最強じゃね?」その“妄想”を現実にしたVTECターボの化け物仕様!

FFのDC2インテグラに、まさかの“S2000のF20Cを縦置きスワップ”してFR化。さらに575馬力ターボ仕様へ進化した、規格外すぎるモンスターがアメリカで大反響。エンジンルームから駆動系、フロア構造まで全て作り直した“次元崩壊カスタム”だ。