純正タービンのまま390馬力を引き出す!

ユーザーライクな仕様で驚異的な速さ!

2024年のREVSPEED筑波スーパーバトルにおいて、クレイブが手がけたシビックタイプR(FK8)が59秒016という驚異的なタイムを記録。1分切りはもちろん、58秒台も目前に迫る好結果だった。しかもこのマシンは、ショップデモカーではなく一般ユーザーのカスタマーカー。その事実も相まって、多くのメディア関係者の注目を集めた。

エンジンは耐久性を重視したノーマルタービンのブーストアップ仕様。足まわりの熟成を軸に、空力チューニングと徹底した軽量化で動力性能を補う。まさにクレイブが掲げる「誰もが再現可能な仕様」で叩き出した圧巻のタイムだった。

新型シビックタイプR(FL5)の開発においても、そのスタンスは変わらない。外観はあくまで純正然をキープしつつ、誰もが真似できるメニューでサーキットタイムを狙う。開発を指揮する福元紀幸代表が掲げる当面の目標は、「先代FK8を上回るタイムの達成」だ。

タービンの小型化や車重増加により、「チューニングベースとしてのポテンシャルはFK8より劣る」と評されることもあるFL5。福元代表はその見解を認めつつも、FK8で培った独自のノウハウを武器に、FL5でも結果を残せると自信をのぞかせる。

エンジンは最大ブースト圧1.8キロ時に390psを発揮するファインスペック。パワーバンドは4000〜6500rpmと扱いやすい特性を持つ。将来的にはタービン交換も視野に入れるが、当面は純正タービンのままタイム短縮を狙っていくという。

排気系は、オリジナルのレーシングマフラーとフロントパイプを組み合わせて効率化。キャタライザーは専用ストレートパイプに変更され、いずれもクローズドコース専用品として抜け性能を最優先している。

車高調はスピリットをベースにしたクレイブオリジナルスペックの2WAYタイプ。サーキットではフロント14kg/mm、リヤ12kg/mmを基本とするが、この日はワインディング走行に合わせてフロントを12kg/mmへ変更し、車高もやや高めにセットしていた。

フロントブレーキは、エンドレス製レーシングMONO6キャリパーと2ピースローターの組み合わせで強化。リヤは電子制御式パーキングブレーキの構造上、パッド交換に留めている。

この日のタイヤはADVAN A052(295/35R18)。キャンバージョイントと、クレイブオリジナルサイズのボルクレーシングTE37 SAGA S-plus(10.5J+42)を組み合わせ、フェンダー内に美しく収まる装着感を実現した。

純正の制御でクラッチミートを意図的に遅らせる機構はキャンセル。操作性と変速レスポンスを向上させる「ダイレクトクラッチシリンダーキット」は、走りを楽しむうえで欠かせないアイテムだ。

インテリアは現状、シートとステアリングのみを交換。シートにはブリッドXERO VSを採用する。今後はタイムアタック専用車として、内装の軽量化にも本格的に取り組む予定だ。

オリジナルのフロントリップスポイラーは、純正ラインを巧みに取り入れたスタイリッシュな造形。素材はカーボンとFRPの2タイプを設定し、アンダーパネル一体型のほか、リップ単体仕様も選択できる。

アンダーパネル一体成形タイプは、確実なダウンフォースを発生させつつ、地上高クリアランスにも配慮。スポーツ走行を重視するユーザーには、この仕様が強くおすすめだ。

ツインタイプのカナードは、タイヤハウス内への気流の巻き込みを抑え、フロントの接地感を向上。低ドラッグ設計で、リップスポイラーとの相性も良く、FL5の純正フォルムに違和感なくフィットする。

GTウイングはスワンネックタイプを採用し、ダウンフォースを最大化。フロントヘビーな特性を補い、高速コーナーやブレーキング時のリヤの安定性を大きく高めている。マウントはトランクスポイラーとの併用を前提とした専用設計だ。

トランクスポイラーはGTウイングとの併用でさらなるダウンフォースを発揮。空力セッティングの幅を広げつつ、純正ウイングとのマッチングも良好だ。材質はカーボン/FRPの2タイプを用意する。

「乗り心地も悪くなく、特にサスペンションの完成度が高い。バンピーでハーフウェットな路面でも終始安定していて、安心して攻められます。筑波でもこの仕様のままで十分楽しめるし、いいタイムが狙えそうですね」と語るのは、インプレッションを担当した飯田章選手。

一方、製作者の福元代表はこう締めくくる。「FL5はタイムアタックでは不利と言われがちですが、チューニング次第で先代超えが可能なことを証明したい。デモカーは今後もタイムアタック専用として、運動性能を徹底的に磨いていきます。今日の評価は、最速のタイプRを目指すうえで大きな弾みになりました」。

⚫️問い合わせ:クレイブ 福岡県北九州市小倉南区上曽根新町13-10 TEL:093-471-1311

「耐久レースが生んだ最強街乗りタイプR、誕生」スプーンが導くFL5の進化ルートとは?

サンダーヒル25時間耐久レース等で磨かれたノウハウを、FL5型シビックタイプRへ惜しみなく投入してきたスプーン。試作ハイフロータービンや空力アップデートを軸に、K20Cの弱点だった熱ダレ対策まで一気に解消。街乗りからサーキットまで、走りの質を底上げする本気の開発が始まっている。

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クレイブ
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