連載

今日は何の日?

■スカイラン40周年記念モデル登場

1997年に発表された「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」

1997(平成9)年12月8日、日産自動車はスカイライン40周年記念の特別仕様車「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」を発表(発売は、翌1998年1月16日)した。記念モデルは、“大人ための最高性能4ドアスポーツセダン”をコンセプトに、R33型スカイラインGT-Rをベースにオーテックジャパンが開発した。

「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」のリアビュー

3代目スカイライン(ハコスカ)からGT-R伝説は始まった

1969年にデビューしたスカイライン2000GT-R。3代目ハコスカで初めてGT-Rを名乗る

GT-Rを初めて名乗ったのは、3代目スカイライン“ハコスカ”をベースにした1969年のC10型「スカイライン2000GT-R」だ。ベースの1.5L 直4モデルに、レース用のS20型2.0L 直6エンジンを搭載したスペシャルなモデルで、その年のJAFグランプリレースで優勝を飾り、以降1972年まで国内レースで破竹の49連勝という金字塔を打ち立てた。

1973年にデビューした2代目「スカイライン(ケンメリ)GT-R」

このエンジンは、4代目“ケンメリ”にも搭載され、1973年に2代目となるC110型スカイラインGT-Rが登場したが、排ガス規制に対応できずわずか3ヶ月という短命モデルに終わった。その後、一時GT-Rは封印されることになった。

1989年5月には、8代目となる「R32型スカイライン」が登場。R32型は、先代に対してスケールダウンして走りを重視し、4ドアセダンと2ドアクーペが設定された。パワートレインは、1.8L 直4 SOHC、2.0L直6 SOHC、同DOHC、最高出力215psを発揮する同DOHCインタークーラーターボエンジンが搭載された。

1989年にデビューした3代目(BNR32型)「スカイラインGT-R」

そして同年8月には、16年ぶりに4WDの高性能「R32型スカイラインGT-R」が復活した。BNR32型GT-Rは、新たに開発された最高出力280ps/最大トルク36.0kgmを発揮する2.6L直6 DOHC(RB26DETT) インタークーラーツインターボエンジンを搭載。4WDシステムは、電子制御トルクスプリット4WD“アテーサE-TS”、さらに4輪操舵4WS“スーパーHICAS”も採用された。

1992年には R32型スカイラインのオーテックバージョンも登場。こちらはGTS-4をベースに220ps/6800rpm、25.0kgm/5200rpmのRB26DE NAエンジンを搭載する4ドア・4WD・NAバージョンだ
1992年には R32型スカイラインのオーテックバージョンも登場。こちらはGTS-4をベースに220ps/6800rpm、25.0kgm/5200rpmのRB26DE NAエンジンを搭載する4ドア・4WD・NAバージョンだ

3ナンバーボディとなったBCNR33型スカイラインGT-R

1995年にデビューしたBCNR33型「スカイラインGT-R」

1993年8月には、モデルチェンジで9代目のR33型スカイラインが登場した。R33型は、ホイールベースを含めたボディのサイズを拡大し、全モデルが3ナンバー車になった。これは、先代R32型で指摘された居住性の悪さを改善した半面、走りの性能向上が命題のGT-Rにとってはボディの拡大は不利なスペック変更だった。

1995年にデビューしたBCNR33型「スカイラインGT-R」のリヤビュー

搭載エンジンは、すべて直6エンジンの 最高出力130psの2.0L SOHC、190psの2.5L DOHC、250psの2.5L DOHCインタークーラーターボ(RB25DET)が搭載された。

BCNR33型「スカイラインGT-R」搭載のRB26DETT 2.6L直6 DOHCインタークーラーツインターボエンジン

スカイラインGT-Rは、ベースから1年半遅れの1995年1月にデビューした。BCNR33型GT-Rは、ボディ拡大のデメリットを強靭なボディの構造変更や補強、一方でエンジンフードやフロントフェンダーパネルにアルミ材を使用するなど軽量化も進められた。

ベースモデルとGT-Rの外観上の違いは、大型化されたエアダム一体型のフロントバンパー、黒塗りのメッシュグリル、前後の一体型プリスターフェンダー、確度調整可能なリアスポイラーなどである。

エンジンは、最高出力280ps/最大トル37.5kgmの2.6L直6 DOHC(RB26DETT) インタークーラーツインターボだが、出力自主規制で280psに抑えているが、それ以上の性能ポテンシャルを持ち合わせていた。トランスミッションは5速MTのみで、電子制御トルクスプリット4WDシステムのアテーサE-TSを介して4輪を駆動する4WDである。

車両価格は、478.5万円に設定された。

BCNR33型スカイラインGT-Rに40th記念モデル登場

1997年に発表された「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」

スカイライン誕生40周年を記念した「スカイラインGT-Rオーテックバージョン40th ANNIVERSARY」は、1997年の第32回東京モーターショーに出品後、12月のこの日に正式に発表され。翌1998年1月に発売された。

「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」のリアビュー

4周年記念モデルは、“大人のための最高性能スポーツセダン”をコンセプトに、2ドアのBCNR33型スカイラインGT-Rを4ドア化。4ドアセダンのスカイラインGT-Rは1969年に誕生した初代のC10型スカイライン2000GT-R以来であり、またこれが最後となった。

「スカイラインGT-R オーテックバージョン40th ANNIVERSAY」のコクピット

GT-Rに単に4ドアボディを流用しただけでなく、2ドアGT-Rのブリスターフェンダーを4ドアでも再現するため、リアドアとリアフェンダーは新たに製作した専用品。また、リアシートは専用のバケットタイプになっており、乗車定員は5名ではなく4名だ。またリアスポイラーは装着せず、フロントスポイラーも小型にするなど、見た目はベースの2ドアGT-Rに比べて落ち着いた、まさに大人のGT-Rだった。

パワートレインは、ベースのGT-Rと同じ最高出力280ps/最大トル37.5kgmの2.6L直6 DOHCインタークーラーツインターボ(RB26DETT)と5速MTを組み合わせた4WDである。

車両価格は498.5万円で、ベースのGT-Rよりも20万円高額に設定され、約400台が生産された。

・・・・・・・・・・
スカイライン40th記念モデルは、小型フロントスポイラーやリアスポイラーがないなど、一見するとGT-Rと識別できないかもしれない。これぞGT-Rと誇示せず、さりげない高性能な4ドアセダン、まさに大人のGT-Rとして希少なこともあり隠れた名車となっているのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

歴史 22時間前

スバル「インプレッサスポーツワゴン」に特別仕様車「I’sセレクトII」が122万円~2代目に追加【今日は何の日?12月28日】

歴史 2025.12.27

日産「ウイングロードGエアロリミテッドS」はお得感満載の特別仕様車、165.8万円~00年追加発売【今日は何の日?12月27日】

歴史 2025.12.26

日産「エクストレイルFCV」2005年モデルのリース販売をスタート!と発表【今日は何の日?12月26日】

歴史 2025.12.25

トヨタ「アリオン」はカリーナの後継で広い室内が自慢!162万円~01年登場【今日は何の日?12月25日】

歴史 2025.12.24

“大人のタント”! ダイハツ「タントエグゼ」は113万円~09年誕生が、スライドドア廃止が不評で1代で終わる…【今日は何の日?12月24日】

歴史 2025.12.23

本格電動4WD、日産「ノート e-POWER 4WD」は229万円~20年誕生【今日は何の日?12月23日】