新車から乗り続けること38年
AT→MT換装を経て6速化も敢行!
1984年に日本初の量産リヤミッドシップ車として登場したMR2。1.5Lの3A-LUを載せたSもラインアップされたが、人気を集め圧倒的に売れたのは1.6Lの4A-GELUを搭載するG/Gリミテッドだった。
2年後の1986年にマイナーチェンジを実施。G/Gリミテッドにスーパーチャージャーを備えた4A-GZE搭載モデルが追加され、同時にTバール―フも設定された。取材車両がまさにこの仕様で、現存台数も最も多いと思われる。

オーナーは1987年に新車で4速ATモデルを購入したが、ほどなくして5速MTに載せ換え。エンジンチューンも進められ、ターボを追加することで、当時は珍しかったツインチャージャー仕様とされた。
「もう25年くらい前になりますかね。調子が悪いんで診てもらえませんか?ってウチに持ち込まれたのは。まだVプロが出る前、EVCとAICで制御してたんで、そりゃまともなセッティングはできないだろうと。それだけでなく、ブースト圧を掛けたかったからか、エンジン自体の圧縮比も極端に低かった記憶があります」とはペントルーフ代表の北林さん。

そこでオーナーと相談の上、スーパーチャージャーを外してターボのみへと仕様変更。1.6Lという排気量を考慮して、エキゾースト側はTD05、コンプレッサー側にTD06-18Gを組み合わせたハイブリッドタービンが選ばれた。
また、エンジン本体はAE92後期型の腰下を使い、強化対策が施された純正ピストンやコンロッドは新品を組み込んだ。当時、ハチロクでターボ仕様を作る時によく使われた定番パーツだ。併せてシリンダーヘッドはポート研磨やバルブガイド打ち替えを実施。カムシャフトは吸排気側共にHKS264度がセットされる。
トップマウントされるインタークーラーはトラスト製に交換。コアにエアガイドを追加して冷却性能を高める。燃料系はサード製280L/hポンプと550ccインジェクターで容量アップ。

エンジンを制御するF-CON Vプロはトランクルーム中央に設置。奥にはエンジンルームから移設されたバッテリーも確認できる。

シャシー後方の下回り。排気系の取り回しがよく分かる。写真では見えないが、タービンはオイルパン前方の中央寄りに配置。ウエストゲートからの排気は触媒の手前でセンターパイプに戻される。マフラーはチタン製のワンオフ品。メインパイプ径70φ、左右デュアル出しのテールエンド径は50φの設定だ。また、ミッションはAE111純正C160型6速MTが搭載される。
車高調はアラゴスタ製のワンオフ品を装着。AW11はリヤサスペンションもストラット式のため、調整式アッパーマウントが採用され、キャンバーセッティングを可能としている。また、ブレーキはキャリパー、ローター共にノーマル。パッドのみエンドレスMX72プラスに交換される。

ミリ単位に拘って組まれたペントルーフのワンオフロールケージ。「元々、別のロールケージが組まれていたんです。でも、フロントバーが被っていてサイドミラーの視認性が良くなかったり、センターアーチの位置が悪くて後ろまでシートスライドできなかったり。いろいろと問題があったので、思い切って作り直しました。リヤのクロスバーはポルシェ911GT3 RSをイメージしました」と北林さん。シートはレカロフルバケが2脚セットされる。

ステアリングホイールはモモレースに交換。ステアリングコラム上にはHKS EVCIIIが確認できる。助手席の目の前に並ぶのはデフィブースト/水温/油温計。メーターパネルはワンオフ。

ターボ化に6速MT換装とチューニング内容はかなりハード。にもかかわらず、ホイール交換と4本出しマフラーの装着以外、外装はノーマル状態を保っているのが拘り。そこに漂うのは大人のチューニングカーという雰囲気に他ならない。
新車から38年もの時間を掛け、エンジンもミッションも度重なる変更を受けてたどり着いた今の仕様。その隙のない作り込みを見て思ったのは、オーナーとペントルーフの協同作業で生み出された“作品”と呼ぶのが相応しいということだ。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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