まさかのダジャレ……かつてのプレリュード世代ならアリ?

新型ホンダ・プレリュード。『プレリュー堂』オープン日と重なった『2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー』でも注目の1台だったが、惜しくも2位に。

かつてのプレリュードのイメージといえばスタイリッシュなデートカー、あるいはスポーティなクーペだった。復活した新型プレリュードはどちらかといえば後者の色が濃い。しかし、そのポップアップイベントが「プレリュー堂」の”試乗発”のカレーである。

『プレリュー堂』のリーフレット。

『プレリュー堂』の会場は、”若者の街”であり、今や世界的な観光地にもなっている渋谷。そこになんとも”ドメスティック”な命名である。かつてプレリュードで青春を過ごした世代にはむしろしっくり来るのだろうか?プレリュードだけに”JDM”ということか……。

会場の「OPENBASE SHIBUYA」はオルガン坂沿い、パルコやハンズも近いショッピングエリア。お店の前には実車のプレリュードも展示される。
プレリュー堂
営業期間: 2025年12月4日(木)~12月7日(日)
営業時間:11:00~19:00 
入場料:無料
カレー:一皿500円
支払方法:クレジットカード、交通系電子マネー、QRコード決済※現金不可
会場:OPENBASE SHIBUYA 1F(東京都渋谷区宇田川町14-13 宇田川町ビルディング)
アクセス:JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩8分

6種類の味が楽しめて500円は安すぎる

『プレリュー堂』のスパイシーカレー。スパイスが効いたエスニック系の味わい。ミニカーは撮影用の小物で、メニューには付属しません。残念ながら。

クルマのプロモーションにカレーという発想自体もそうだが、そのカレーを作るためにクルマを試乗して走りのイメージを味で表現するというのは奇想天外だ。とはいえ、やはり食べ物だけに旨さこそが全て。カレーに精通した料理研究家が監修しているだけに間違いはないと思うが……。

企画担当のホンダ広報・宮本慶浩さん(左)と監修したスパイス料理研究家の一条もんこさん(中央)、プレリュードPT開発責任者の齋藤吉晴さん(右)。(PHOTO:HONDA)

実際に食べてみると、確かに旨い。監修の一条もんこさんはスパイス料理研究家だけに、カレーは欧風や日本風ではなくエスニックな味わいで、ノーマルでもスパイシー。ただ、辛さはやや抑えめか。肉も完全にルーに溶け込んでいるのはなく、柔らく食べやすいが塊感もあって満足度の高い食味だ。ライスは色ほどには主張は強くなく、カレーを控えめに引き立てている。

量はそれほど多いわけではないが、5種類のスパイスを掛け分けながら食べるので、量以上に食べた際の満足感がある。

また、付け合わせは2種類の漬物で箸休め(スプーンだが)にちょうど良いが、欲を言えば福神漬けはもう少し欲しかった。それにひよこ豆が少々のっている。この形でのひよこ豆は初めて食べたが、やや堅めで食感のアクセントになっている。

漬物はしば漬けと福神漬け。この形で食べるひよこ豆は初めてだった。

さて、肝心の追加スパイスだが、その内容は下のメニュー表の通り。メニュー表の左から(一番左の「GT」がノーマル)順に別々に少しずつかけていくのが推奨された。ノーマル(「GT系」)→ホット(「SPORT」系)→クールダウン(「COMFORT」系)を2セットといった流れだが、やはり「SPORT」系は辛さが増す。特に「SPORT×S+Shift」は少量なのに汗が吹き出すほど。

『プレリュー堂』のメニュー表。新型プレリュードと各モードの解説がクルマ/カレー共に説明されている。

スプーンにライスを取り、それをカレーに潜らせたのち、そこにスパイスを振り掛けて食べる……手間はかかるがモードの違いを味わうためのオススメの食べ方だ。カレーやライスにスパイスをそのまま掛けてしまうと、全体がその時掛けたスパイスに染まってしまう。

5種類のスパイス。これにベースの「GT」を加えた6種類の味が楽しめる。少しかけるだけでも劇的に味が変わるので、掛けすぎ注意だ。特に「SPORT×S+Shift」は……。

ベースである「GT」だけでも完成しているのに、そこにこのスパイスが加わることで、ベースが同じなのに違うカレーが味わうことができて実に楽しく、そして美味しかった。個人的には最初の一口である「GT」と、ホッテストな「SPORT×S+Shift」に全て持って行かれた気分だ。「SPORT」系の後に「COMFORT」系でクールダウンするのも逆に「SPORT」系を引き立てた印象だった。やはり新型プレリュードは自分にとってはGTスポーツだったということか……。

煮込まれて溶け切った肉も好きだが、やはり塊感のある肉は食べた時の満足度が高い。

これで価格が500円(税込)!何もかも値上がりしてカレーや弁当でもなかなかワンコインというのは厳しくなってきたご時世に非常にバリューなプライスと言えるだろう。新型プレリュードとてその内容や仕上がりを考えれば617万9800円という価格設定もわからないでもないが、絶対値に的には財布に厳しいと言わざるを得ない。このカレーの約1万2400皿分である。

小物まで作り込まれたこだわりの演出

カレーの出来は文句なしだが、4日間のイベント限定店舗ながら小物の演出まで凝っている。まず、ランチョンマットはプレリュードのコックピットを模したイラストになっており、ドライブ=カレーを味わう気分を高めてくれる。

「プレリュー堂」のランチョンマット。プレリュードのコックピットを模したイラストになっている。

さらに、ペーパーエプロンにはシートベルトを模したイラストが描き込まれており、席はプレリュードのドライバーズシートというわけだ。

「プレリュー堂」のペーパーエプロン。これは畳まれた状態。
ペーパーエプロンを広げるとこのようにシートベルトが描かれている。もちろん、右ハンドル車の運転席ということだろう。

まさに”走りの味”を演出する小粋なアイテムで、カレーだけでなく雰囲気でも楽しめるお店なのだ。

壁には歴代プレリュードのパネルが掛けられている。思い出の1台はあるだろうか?

12月7日(日)まで!
好みのドライブモードをセレクトしてステッカーをゲットしよう

イベント会場には食べた後にどのドライブモードの味が好きだったかの投票ボードが設置されている。食後にこのボードの好みに味にシールを貼って投票すると、2種類用意されたステッカーのうち1枚が貰えるのだ。

ドライブモード投票ボード。まさに”ドライブボードセレクター”だ。

この「プレリュー堂」は2025年12月7日(日)までの限定店なのが非常に惜しい。ぜひ一度(と言わず何度でも)味わって、イチオシのドライブモードの味を投票してみて欲しい。2回食べればステッカーもコンプリート可能だ。最終日には、どの味が一番人気になるのか気になるところ。

投票すると貰えるすレッカーはスクエアタイプとスプーンタイプの2種類を用意。2回食べて投票すればコンプリートできるぞ。

それにしてもこのカレー、イベント限りというのは実に勿体無い。ホンダは自社グッズとして社員食堂のカレーうどん「ホンダ社食のカレーうどんの素」を販売しているので、是非ともこの「プレリュー堂」カレーもレトルト化して販売して欲しい。