ベルトラインで塗り分けるユニークな2トーンはハイウェイスター専用

日産の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」がフルモデルチェンジ、数えて4代目へと進化した。
「かどまる四角」をモチーフとしたデザインは個性的で、日産の伝統を感じさせるオリジナリティと、軽スーパーハイトワゴンの王道といえる立派さを併せ持っているというのが筆者の第一印象だ。12月に聞いた話では、発表以来の受注が2万2000台を超えたというから、多くのユーザーも好印象を持っているようだ。
シルエットも「かどまる四角」的であるし、ヘッドランプやテールレンズといったディテールにも「かどまる四角」が見て取れる。さらにシートヘッドレストにも同様の形状がアクセントとして入っている。
ここまで徹底すると、ともすればしつこいと感じてしまいそうなものだが、巧みなバランス感により自然と馴染んでいる。まさに「かどまる四角」は新型ルークスのアイコンとなっている。


全17色の外装色のうち2トーンが6色と半分近くを占める
スタイリングで注目したいのはボディカラーだ。
全17色のラインナップのうち2トーンが6色と半分近くを占めているというのも、軽スーパーハイトワゴンのトレンドに則ったものといえそうだ。
なお、ルークスは標準系とカスタム系の「ハイウェイスター」という2本立てのグレード展開となるのは従来通り。2トーンカラーはハイウェイスターの専用色となっている。
新しい試みなのが「プレミアム2トーン」だ。通常の2トーンはルーフ部分が別の色になっているだけだが、プレミアム2トーンではルーフからボンネット、Cピラーが異なるカラーとなっている。シンプルにいえば、サイド面のベルトラインを境に上下で塗り分けた2トーンなのだ。
その効果は、写真を見ていただければ一目瞭然。

ドアパネルの中央部分が盛り上がったキャラクターラインが強調されることで、ルークスハイウェイスターだけの個性を感じることができる。軽自動車という限られたボディサイズとは思えない、豊かな表現力を実現しているともいえそうだ。
プレミアム2トーンの個性は、運転しているときにも実感できる。試乗した個体は、ホワイトパールを基本に、ゴールドがかったフローズンバニラパールとのプレミアム2トーンカラーだったが、常に目に入るボンネットがゴールド系で輝いているのだから、ゴージャスな気分でドライブできるのだ。

しかも、試乗車にはオプションのプレミアムインテリアも備わり、ファブリック調インパネや合皮のシート&ドアトリムとなっていたのだからなおさらだ。
プレミアム2トーンが12万2100円、プレミアムインテリアは4万4000円とけっして安いオプション価格とはいえないが、価格以上の満足感を生んでくれるというのも正直な印象。選べるだけの余裕が予算にあるならば、是非ともオススメしたいメーカーオプションである。




アーキテクチャーを共有するデリカミニとは正反対の乗り味、その理由は?

というわけで、じっくりと眺めているだけで「新型ルークスハイウェイスターは買い!」と言いたくなるが、やはり気になるのは走りの面で進化しているかどうかだろう。
試乗車はターボエンジンを積んだFFで、トランスミッションはCVT。こうした基本メカニズムは先代モデルから踏襲しているが、先代モデルが採用していたマイルドハイブリッド機構は廃されている。日産の軽自動車が採用するマイルドハイブリッドは、いわゆるエンジンをアシストするタイプ。つまり非ハイブリッド化により、発進加速などがダルになっていることが心配される。
結論からいえば、非ハイブリッド化によるネガはまったく感じられない。
市街地走行における信号待ちからの発進加速、高速道路への合流など気になるシチュエーションで試してみたが、いずれも不満を覚えることはなかったし、期待以上にキビキビと加速してくれた。
しかも、カタログスペックのモード燃費は19.3km/Lで、マイルドハイブリッドだった従来モデルより向上している。純エンジンになったことで効率が上がっているのが、新型ルークスの特徴的なポイントでもある。

ところで、自動車マニアであれば、同時期にモデルチェンジしたルークスハイウェイスターと三菱デリカミニが基本的なアーキテクチャーを共有していると、ご存知のことだろう。
先行してデリカミニの4WDターボにも試乗していた筆者にとって、同じエンジンを積むルークスハイウェイスターの加速性能が十分に満足できるレベルにあることは想定通りだった。
しかしながら、ハンドルを切り込んだときのフィーリングは、デリカミニ(4WD)とルークスハイウェイスター(FF)を比べると、想像よりも異なるキャラクターに仕上がっていることを教えてくれた。
まっすぐ加速しているときのスタビリティ感は、デリカミニとルークスハイウェイスターでさほど変わらないが、ハンドル操作に対する挙動には明確な違いがあった。
具体的なシチュエーションでいえば、素早くハンドルを切ったとき。デリカミニではクイックな操作をしても車体の安定性が勝る印象もあったが、ルークスハイウェイスターはスパーンとリニアに動き出す。このあたりタイヤの偏平率(デリカミニは60偏平、ルークスハイウェイスターは55偏平)という違いからくる部分もあるだろうし、そもそもサスペンションのセッティングが異なる影響といえる。
デリカミニとルークスハイウェイスターで異なる個性を持っていることは間違いない。スタイリングの好みだけでなく、実際に試乗して自分の好みに合う走り味のモデルを選ぶという意識も大切になりそうだ。

やっぱり「見えルークス」は優秀! 死角をアシストするカメラ機能

今回の試乗車には、12.3インチディスプレイにカメラ画像を映し出す「インテリジェント アラウンドビューモニター」がオプション装着されていた。ビルトインタイプのドライブレコーダー、ETC2.0車載器などとセットで32万8900円という高額なメーカーオプションだが、はたして「見えルークス」の効果はいかほどだろうか。
まずは、フロント左右の死角をカバーする「フロントワイドビュー」から試してみた。
建物の横にクルマをつけ、建物の向こう側はまったく視認できない状態でディスプレイ下の「CAMERA」ボタンを押すと、大画面に左右の死角までが映し出される。ドライバーからは見えないエリアが画面で確認できるというのは安心であるし、事故の可能性は間違いなく小さくなるだろう。ダイレクトに安全につながる機能といえる。


つづいて試したのは「インビジブルフードビュー」。こちらはメモリーした画像をつなぎ合わせることで、あたかもエンジンフードを透過したような映像をモニターに映し出す機能。オフロード走行をする本格SUVでは採用例もあるが、なぜ軽スーパーハイトワゴンのルークスに、こうした機能が必要なのだろうか。
想定されているシーンは、前進駐車するときの輪止め、洗車機で定位置に停めるときなど。運転に不安のあるドライバーでも自信をもってフロントタイヤを狙い通りの位置に持っていくことができるという。

そのほか、インテリアではスマートフォンを立てて収納できるインパネ中央のスライドボックスのデザインも秀逸。スマートフォンを置くスペースの底部分に穴があるので、充電ケーブルをつないだままスマートに収納できるのだ。こうした痒い所に手が届く収納の作り込みは、ほかにもあるので是非とも実車でご確認いただきたい。

もうひとつ、実車に触れる機会があれば、試していただきたいのが、サンバイザーを展開すること。そうすると、インパネからAピラーの内張り、そしてルーフまで一周するようなガーニッシュがあることに気付けるはずだ。
これは日本建築における「縁側」にインスパイアされたデザインだという。意味合いとしては、内と外を区切る意匠であり、まさしくルークスのキャビンが”広々とした部屋”であることを実感できるデザインの妙であり、軽自動車という日本独自に進化したカテゴリーに対する自信作であることを示している。


【試乗レポート】デリカミニの4WDターボは300万円弱の価格以上! 軽自動車離れした重厚な乗り味だった! | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム