車両代込み400万円で手に入るコンプリートという提案

ターボ化&フルコン制御で465ps&51kgmを発揮!

グリップからドリフトまでマルチに楽しめる逸材として、今なお高い人気を誇るシルビア/180SX。しかし近年は、ちょうどいいサイズ感の2.0L・FRターボ車が姿を消しつつあり、代替となる存在を求める声は根強い。

そうした状況を長年見てきた“レーシングファクトリー・リボルバー”代表の今田さんは、素性の分からない中古車を高値で購入し、早々にトラブルを抱えてしまうケースを数多く目の当たりにしてきた。そこで着目したのが、豊富なアフターパーツと手頃なボディサイズを備えるZ#6。ターボ化によって、2.0L・FRターボの土俵へと引き上げる構想がスタートした。

「シルビア/180SXに代わる存在として中古車コンプリートを考えるうえで重視したのは、コストパフォーマンス良くグリップもドリフトも楽しめること。単純に86/BRZをターボ化するだけでは安心して走れる状態にはなりません。冷却系の強化、フルコン制御、弱点とされる駆動系を守るクラッチなどを厳選し、乗り出し400万円以内で一線級の速さを引き出すことを目指しました」。

相場や車両コンディションにも左右されるが、車両価格は極力抑え、チューニングに250〜300万円前後を投入。効果的で、走りが純粋に楽しくなるメニューを重視している。

ベース車両は基本的にZ#6後期を想定。内装の質感やボディ剛性の高さに加え、ブーストアップ時にもクラックの不安が少ない鋳物インマニの採用など、価格と性能を熟慮した選択だ。予算に応じてZ#6前期やZ#8をベースにすることも可能としている。

今田さん自身も、Z#6後期×ターボの完成度を高めるべく、走行16万kmでエンジン異音を抱えていた中古車をあえてベースに製作。これは、ターボ化に伴うエンジン強化やコンディションチェックを基本パッケージに組み込んでいるからこそできる選択だ。中古車はあえて10万〜15万km付近を狙い、車両価格を抑えつつチューニング予算を確保する。

エンジンはクランクやピストンなど、チェックでNGと判断した部分は確実に対処。10万〜15万km程度であれば、ピストンリング交換、ターボ対応コンロッド投入、メタルクリアランスの最適化で十分対応可能とのことだ。

ターボキットはHKS製を採用。3種類のボルトオンターボの中でも、コストとパワーのバランスに優れるGTIII-RSを推奨している。将来的にはブーストマジックとのコラボで、レスポンス特性にこだわったボールベアリングターボの製作も構想中だ。

マフラーはHKSリーガマックスを基本としつつ、性能だけでなくスタイリングも考慮し、ユーザーの好みを優先。展示用の中古車コンプリートを含め、柔軟な選択が可能となっている。

ZN6の過給機チューンを数多く手掛けてきた経験から、ラジエターとオイルクーラーは必須装備として基本パッケージに組み込む。デモカーはクレイブ製フロントバンパーやダクト付きボンネットを装着するが、空力パーツはオプション扱いだ。

ECUは純正書き換えではなく、LINKのプラグインモデルによるフルコン化を選択。850ccインジェクターを用いた現車セッティングにより、アンチラグの追加なども施されている。コストよりもパフォーマンスを重視した構成だ。

過給機チューンで懸念される駆動系トラブルだが、ミート時に気にならないレベルでの滑りを発生させるHKSのLAクラッチでコスパ良く対処。トランスミッションやドライブシャフトがトラブルを起こさないかの確認も含めて、グリップとドリフトで走り込む予定だ。なお、機械式LSDは基本パッケージに組み込んでいる。

サイドブレーキ横に設けられたダイヤルで、ブースト圧切り替えやアンチラグのON/OFFが可能。現状はローブースト1.0kg設定で、465ps&51kgmを発揮している。

450psオーバーのパワーを活かすため、タイヤサイズは265/35R18を想定。ただしタイヤ&ホイールは走行ステージや好みによって最適解が異なるため、オプション扱いだ。

足回りは、阪口良平選手監修によるD-MAXとのコラボ車高調を採用予定。近日中のドリコン参戦に向け、フロントにはナックルやタイロッドの交換も行われている。

ブレーキについては、キャリパーキット投入だけでなく、純正流用によるコスト抑制プランも検討中。まずはコストを抑えた仕様から検証を進めている。

バケットシートやレーシングハーネスといった最小限の追加で、ストリートからサーキットまで対応できるオールラウンダーに仕上がる。

「シルビアに代わる提案というコンセプトがぴったり。低回転からブーストが立ち上がり、高回転まで力強い。冷却系が強化されているので周回を重ねても水温・油温ともに安定しています。切れ角アップが施されていますが、グリップ走行でも違和感はありません。86後期は4.3ファイナルですが、ターボ化でトルクがあるので、前期用4.1やAT用3.9に変更するのもアリですね」と語るのは、インプレを担当した塩津佑介選手。

450psオーバーの2.0L・FRターボを、乗り出し400万円で手に入れる。価格、車両の新しさ、走行性能、アフターパーツの充実度――あらゆる面で、シルビア/180SXを凌ぐ提案となっている。

●取材協力:レーシングファクトリーリボルバー 岡山県岡山市北区高柳東町9-23 TEL:086-367-4495

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