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今日は何の日?

■究極の走りを追求するインプレッサS203 STIバージョン

2004年に発表、2005年に発売されたスバル「インプレッサS203」

2004(平成16)年12月13日、STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)が2代目「インプレッサWRX STi」をベースに、独自のチューンナップを施した「インプレッサS203」を発表(発売は翌2005年1月11日)した。STIのコンプリートカーのなかでも、Sシリーズは最高峰に位置付けられる。

Sシリーズ第1弾は、スパルタンなインプレッサS201

究極の走りを目指すSシリーズの第1弾が登場したのは2000年4月のこと。「S201」は、初代インプレッサの後期型をベースにSTIが長年培ったノウハウを注入し、オンロードスポーツを追求したコンプリートカーだ。

Sシリーズの始まりはコレ、2000年4月に誕生した「インプレッサS201」

EJ20型水平対向2.0L DOHCインタークーラー・ツインスクロールターボエンジンは、スポーツECUや吸排気系の変更によって最高出力300ps/最大トルク36.0kgmを発揮。トランスミッションは5速MTで、フロント・ヘリカルLSDとフルタイム4WDで高度なトラクション制御が行なわれた。また、ハイパワー化に対応して足まわりもアップデートされ、車高調整式サスやピロボール式リンクなどが投入された。

スタイリングは、機能優先でレーシングカーのデザインエッセンスを注入。インタークーラーに走行風を導くボンネット上のエアスクープの大型化、グリル一体フロントバンパー、ダブルウイングリアスポイラー、ディフューザー形状のリアバンパーなど、とにかく派手なエクステリアが印象的だった。

見た目からしてスパルタンなインプレッサS201の車両価格は、390万円で限定台数は300台だった。

Sシリーズ第2弾は、2代目丸目のインプレッサS202

インプレッサのモデルチェンジを受けてベースが2代目となり、2002年6月にデビューした「インプレッサS202」。「タイプRAスペックC」をベースに、オンロード性能の向上を目指して徹底チューニングされた。

2002年6月に登場したスバル「インプレッサ S202」

EJ20型インタークーラー・ツインスクロールターボエンジンのさらなる高出力化を図り、吸気系の改良や軽量な低排圧のチタン製スポーツマフラーの採用によって、最高出力320ps/最大トルク39.2kgmまでパワーアップし、同時に65.4kgの軽量化にも成功した。トランスミッションは、5速MTから6速MTに換装、駆動系は当然フルタイム4WDである。

足まわりでは、ピロブッシュのリヤラテラルリンク&トレーリングリンクを組み込み、また鍛造アルミホイールとアルマイト処理を施しスリット入りローターを装着、バネ下重量の軽量化によって安定したコーナリング性能が確保された。

320psまで高められたハイパワーと軽量化により、パワーウエイトレシオは驚異的な4.15kg/psを達成したインプレッサS202の車両価格は、360万円で限定台数は400台だった。

Sシリーズ第3弾は、打倒欧州スポーツを目指したインプレッサS203

2004年に発表、2005年に発売されたスバル「インプレッサS203」
スバル「インプレッサS203」のリアビュー

2004年12月のこの日に発表(発売は翌年1月)されたのが、「インプレッサS203」だ。ベースは、2代目の中期モデルとなり、ヘッドライトは丸目から涙目ライトに変わり、“グローバルピュアスポーツセダン”をコンセプトに欧州のプレミアムスポーツセダンと競合できる高性能モデルを目指した。

2004年に発表、2005年に発売されたスバル「インプレッサS203」

EJ20型インタークーラー・ツインスクロールターボエンジンは、タービンの大型化、タービン軸受けのボールベアリング、吸排気系の高効率化に加え、エンジンのバランス取りを実施して最高出力320ps/最大トルク43.0kgmとトルクが大きく向上。6速MTのトランスミッションとフルタイム4WDの組み合わせで、高出力を長時間維持するために空冷のオイルクーラーが採用された。

スバル「インプレッサS203」のEJ20型水平対向2.0L DOHC インタークーラー・ツインスクロールターボエンジン

またパワーアップしたエンジンに対応して、シャシー性能もグレードアップ。サスペンションは専用チューンのダンパー+ローダウンスプリングを装着し、リンク類にはピロボールブッシュを多用するとともにスタビライザー径が拡大された。

スバル「インプレッサS203」のコクピット
スバル「インプレッサS203」のシート

エクステリアについては、専用のドライカーボン製フロントアンダースカートと2段可変式リアウイングスポイラーを装着して空力性能を向上。インテリアは、ドライカーボン製シェルのレカロ製バケットシート、ブラックソフトフィール塗装のセンターパネル、メーターバイザー&サイドベンチグリル、専用本革巻きシフトノブとシフトブーツ、260km/h表示のスピードメーターなどでスペシャル感が演出された。

ノルウェーのラリードライバー、ペター・ソルベルグ(Petter Solberg)選手。SUBARUラリーチームのエースドライバー。スバルのSTIハイパワーバージョンにもソルベルグのアドバイスが生かされている

独自のスポーティ感と大人の感性を満たす高い質感、プレミアム感を実現したインプレッサS203の車両価格は、460.95万円で限定555台の販売、発表から1ヶ月で完売した。

スバル「インプレッサS203」専用パーツたちを一気!

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2005年12月には「インプレッサ S204」が登場
2010年1月、SではなくR(ロード)が付いた「インプレッサR205」へ
2011年11月に登場したスバル「インプレッサS206」

STIコンプリートカーの頂点に君臨するモデルとして人気の高いインプレッサSシリーズは、その後もベースの進化に対応しながら基本連番で続き(205だけは、SでなくR205)、2018年には北米ファンの要望に応えるため米国専用モデルS209(日本へは未投入)が発売。その後、Sシリーズはいったん投入が見送られていたが、2025年にS210が発売されて大きな話題となっている。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

スバル・インプレッサWRX/STi主要年表1.
スバル・インプレッサWRX/STi主要年表2.

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