トヨタ自動車は日本版に先駆け、合弁パートナー企業による中国市場向けの2台の『RAV4』を発売した。一つはFAWが製造する『RAV4』、もう一つはGACが製造する『Wildlander(ワイルドランダー)』だ。どちらも中国市場向けに独自のトリムレベル、パワートレインの選択肢が用意されており、日本版を含むグローバルモデルとは若干異なった仕様と、はるかに手頃な価格となっている。

両モデルとも、トヨタのTNGA-Kアーキテクチャーの最新版を採用している。GACのワイルドランダーは、ボディ同色のハニカムグリルとハンマーヘッドライトを特徴とする、よりクリーンな外観を持ったグローバル仕様のRAV4のデザインを踏襲している。他方。FAW製RAV4は、ルーフレールを除けばウッドランドとアドベンチャーのスタイリングを踏襲し、より力強い印象を与えている。

どちらのバージョンにもGRスポーツ仕様は設定されていないため、パフォーマンスを求める中国市場の顧客は悩みどころかも知れないが、その低価格と仕様は大きな魅力となっている。
両SUVとも18インチまたは20インチのアルミホイールを装備し、バンパーがそれぞれ専用になるため、全長もわずかに異なる。ワイルドランダーの全長は4600mm(181.1インチ)、RAV4は4620mm(181.9インチ)となっている。
グローバル仕様との最大の違いは、インテリアのテクノロジーだろう。日本版を含むグローバル仕様は、10.5インチまたは12.9インチのスクリーンと、より大型の12.3インチインストルメントクラスターを搭載するが、中国市場向けでは、専用ソフトウェアを搭載した15.6インチのフローティングタッチスクリーンが中央に配置され、8.8インチのデジタルインストルメントクラスターとオプションの26.4インチヘッドアップディスプレイがそれと一体化されている。
そのほか主な装備としては、パノラミックサンルーフ、ヒーターとベンチレーション機能付きセミアニリンレザーシート、マルチファンクションアームレスト、デュアルゾーンクライメートコントロール、64色アンビエントライト、顔認識機能、音声コマンド機能、そして749L(26.5立方フィート)の荷室容量などが挙げられる。
パワートレインは、最高出力171psを発揮する2.0Lガソリンエンジンをはじめ、新たに2種類のセルフチャージングハイブリッドがラインアップに加わり、最高出力196psの2.0L エンジンと、239psを発揮する2.5L E-Four(全輪駆動)バージョンが提供される。現段階でプラグインハイブリッドオプションはまだ用意されていないが、近い将来、追加される可能性があるものと見られている。
そしてなんといっても魅力的な価格だ。GACワイルドランダーは、グレードとパワートレインによって価格は異なるが、2万3900ドル(約374万円)からとなっている。米国では3万1900ドル(約499万円)〜となっており、日本価格は未発表だが、400万円程度〜500万円程度になると予想されるため、かなりコスパが高いと言えるだろう。


















