メルセデス・ベンツは、同社の持続可能目標を支援する技術プログラム「Tomorrow XX(トゥモローXX)」を発表した。これは、VISION EQXX および CONCEPT AMG GT XXにおける総合的アプローチを製品ポートフォリオ全体に拡大したものである。本プログラムでは、最初のデザインスケッチから車両のライフサイクルの終わりまで、脱炭素化、資源利用、循環経済に一貫して焦点が当てられている。その目的は「環境/循環性のためのデザイン」を車両モデルや駆動方式に関係なく最大限に活用することにある。メルセデス・ベンツは、サプライヤー企業、スタートアップ企業と協力し、新しいソリューションを開発して量産化を目指している。

技術プログラム「トゥモロー XX」は、協調的かつ分野横断的なアプローチを採用している。その目的は、バッテリー、車体骨格、内装、外装材、目に見えない断熱材など、使用されているすべての部品と材料を例外なく検証することである。素材のCO₂排出量を1kgごとに精査し、分解、修理、リサイクルが用意になるよう、材料の設計案、使用量を考案し続けている。

これらのプロジェクト案のもと、メルセデス・ベンツは非常に複雑な部品の構造を変更し、個々の部品を迅速かつ簡単に分解できるようにする取り組みを行っている。トゥモローXXの有望な研究プロジェクトのひとつがリサイクル可能なヘッドライトだ。カバーガラス、カバーベゼル、カバーフレーム、ハウジング、電子機器などのさまざまな部品は、現在のように接着ではなく、ネジで固定されている。これにより、部品を簡単、迅速、かつ損傷することなく分離することができるうえ、リサイクルの手間も簡易になる。

現代のメルセデス・ベンツには、平均で約250kgのプラスチックが使用されている。これらの部品の多くは、材料としてリサイクルできる範囲が限られている混合プラスチックで構成されているため、多くの場合、熱利用されている。ほとんどの場合、高品質の製品への再利用は不可能である。そのため、トゥモローXXでは、単一材料の使用を推進すると同時に、一次資源を二次材料に置き換えることに特に重点が置かれている。