ホンダの大型クロスオーバーSUV「パイロット」や「パスポート」、ピックアップトラック「リッジライン」といった米国向けモデルが、同社が世界展開の強化を図る中で、新たな市場で販売される可能性があるという。



ホンダ・オーストラリアの社長兼CEO、ジェイ・ジョセフ氏は、オーストラリア『Drive』誌に「少なくとも将来的には、ホンダの大型モデルが右ハンドル化され、オーストラリアのような新たな市場に投入される可能性がある」語ったことからも、日本市場導入への期待が高まっている。

そして「電動化は実際にはグローバル展開をいくらか容易にします。ソフトウェア定義車両時代と電動化時代のモジュール構造のおかげで、ポートフォリオをよりグローバルな視点で検討できるようになり、以前は少し難しかったことも実現可能になっています」と付け加え、オーストラリアを始めとする北米以外の市場への導入が現実味を帯びているようなのだ。

適切な右ハンドル化は、最初から、あるいは少なくとも初期段階からエンジニアリングの一部に組み込む必要があるため、現行のホンダモデルで実現する可能性は低い。しかし、おそらく2020年代後半にホンダの新プラットフォームが登場すれば、検討材料になるかもしれない。

特に有力なのは「パイロット」という情報がある。パイロットは、2025年11月に改良新型を発表。北米のホンダでは、CR-Vや「パスポート」(日本未導入)の上に位置するフラッグシップモデルの位置づけだ。ボディサイズは、全長5077-5135mm×全幅1994mm×全高1800-1829mm、ホイールベース2891mmで、乗車定員は最大8名となっている。

パワートレインは、最高出力285ps・最大トルク355Nmを発揮する3.5L V型6気筒エンジンを搭載している。
パイロットは、2027年にもフルモデルチェンジを予定しており、もし日本導入となるなら、次期型のタイミングと見られる。

先日は、日産のフラッグシップSUV「パトロール」の日本導入が決まったばかりだ。パトロールのボディサイズは全長5350mm×全幅2030mm×全高1945〜1955mmとなっている。また、トヨタ「ランドクルーザー300 ZX」が、全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mmとなっており、パイロットが日本で発売されれば、ビッグSUV戦争となりそうな気配だ。


ホンダが日本市場でミディアム・ラージサイズSUVをラインナップしておらず、「パスポート」やさらに大型の「パイロット」が導入されれば、セグメントを網羅することになる。

ジョセフ氏の話からも、「右ハンドル」「電動化」が日本導入の鍵となりそうだ。またもし日本発売されれば、価格はパスポートが600万円程度、パイロットが700万円〜800万円程度と予想され、パイロットや、ランドクルーザー300 ZXと比べても競争力があるだろう。
