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今日は何の日?

■バブル時代のハイソカーに対抗した6代目ローレル

1988年12月に発表(発売は1989年1月)された日産6代目C33型「ローレル」

1988(昭和63)年12月16日、日産自動車は6代目「ローレル(C33型)」を翌年1月15日に発売することを発表した。1968年に誕生以来、ハイオーナーカーを謳って好評を得ていたが、6代目は“大人趣味の良さを表現した上質な4ドアセダン”として、当時人気を博していたハイソカーに対抗した。

ハイオーナーカーを謳った初代ローレル(C30型)

1966年に登場した日産「サニー」とトヨタ「カローラ」が大ヒットして、日本のモータリゼーションに火が付き、マイカーブームの到来とともに市場では上級志向のクルマが求められるようになった。

1968年に誕生した日産初代「ローレル」。“ハイオーナーカー”というキャッチコピーで登場

そのような中、日産は「ブルーバード」のワンランク上で「セドリック」の下に位置するアッパーミドルミドルセダンのローレルを、“ハイオーナーカー”というキャッチコピーを掲げて1968年4月に市場に投入した。

ローレルのスタイリングは、ブルーバードで採用された“スーパーソニックライン”を踏襲した直線基調で、当初は4ドアセダンのみで最高出力100ps/最大トルク15kgmを発揮する1.8L 直4 SOHCエンジンを搭載した。

1968年に誕生した日産初代「ローレル」。“ハイオーナーカー”というキャッチコピーで登場

先進技術を採用して注目された初代ローレルだったが、半年後に登場したトヨタの初代「コロナマークII」に人気を奪われた。コロナマークIIは、4ドアセダンと2ドアハードトップが用意され、特にスタイリッシュな2ドアハードトップは月販2万台を記録する大ヒットになったのだ。

これに対抗して、ローレルも1970年に日産初のピラーレスハードトップを設定して猛追した。

2代目~5代目までの歴代ローレルの軌跡

1972年に登場した日産2代目「ローレル」

・2代目(C130型:1972年~):ケンメリ風となり、“ブタケツ”の愛称で人気モデルに
プラットフォームが4代目「スカイライン」と共通となり、スタイリング全体の雰囲気もケンメリ風になった。4ドアセダンと2ドアハードトップが用意され、2ドアハードトップはビルドインされたリアコンビランプを装備した独特のリアデザインから“ブタケツ”の愛称で親しまれた。歴代ローレルで最高の販売台数を誇った。

1977年にデビューした日産3代目「ローレル」

・3代目(C230型:1977年~):高級感を強めて、ハイオーナー色を強めた
高級車をイメージさせる重厚なスタイリングと豪華で落ち着いたインテリアが、本来のハイオーナーカーの性格を強めた。

1980年にデビューした日産4代目C31型「ローレル」

・4代目(C31型:1980年~):アメ車風から一転、欧州車風スタイリングに変貌
2代続いたアメ車風デザインから一転、空力を意識したスラントノーズを採用した直線基調の欧州車風スタイリングに変更。流線型に生まれ変わったデザインは、“アウトバーンの旋風”とアピールした。

1984年にデビューした5代目C32型「ローレル」
1984年にデビューした5代目C32型「ローレル」

・5代目(C32型:1984年~):再びスクエアなアメ車風スタイリングに
再びアメ車風の押し出しの強いスクエアなスタイリングに戻った。ハイソカーブームが盛り上がりを見せる中で、期待したほど販売を伸ばすことができなかった。

ハイソカーを意識した6代目ローレル

1988年12月に発表された日産6代目C33型「ローレル」谷田部バンクの走り

1988年12月のこの日に発表された6代目(C33型)ローレルの開発コンセプトは、“大人の趣味のよさを表現した上質な4ドアセダン”で、ボディタイプは人気を博していたハイソカーを意識して、スポーティな4ドアのピラーレスハードトップのみの設定だった。

日産6代目 C33型「ローレル」のリアビュー

エクステリアは、エレガントさを重視して全体的に丸みを与えつつも、ベルトラインの位置を高め、さらに全高を15mm落とすことでスポーティなシルエットを構成。インテリアも、ダッシュボードに本木目および漆塗り調のクラスターパネルとアンティークな時計を設置するなど上質さをアピールした。

日産6代目 C33型「ローレル」に搭載された2.0L DOHCターボのRB20DET型エンジン
日産6代目 C33型「ローレル」に搭載されたエンジン、上から2.0L DOHCターボの2.0LRB20DET型、DOHC NAのRB20DE型、直6 SOHCのRB20E型
日産6代目 C33型「ローレル」に搭載されたエンジン

搭載エンジンは、2.0L 直6エンジンが、最高出力205psを発揮するDOHCインタークーラーターボと155psのDOHC、125psのSOHCの3種。加えて、91psの1.8L 直4 SOHC、2.8L 直6 SOHCディーゼルの計5種エンジンを設定。トランスミッションは4速ATと5速MTが組み合わされた。

日産6代目 C33型「ローレル」のHICAS-II概要図
日産6代目 C33型「ローレル」のDUET-SSシステム図

足回りはフロントがストラット式、リアはマルチリンク式で操縦安定性と乗り心地を高次元で両立させた。また、上級グレードには、新世代の4輪操舵“HICAS-II”、路面状況や運転に合わせてダンパーの硬さやステアリングの操舵力を制御する“DUET-SS”が採用された。

日産6代目 C33型「ローレル」のコクピット
日産6代目 C33型「ローレル」のフロントシート

車両価格は、159.5万~236.0万円。当時の大卒初任給は15.8万円(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で232万~344万円に相当する。

1988年12月に発表された日産6代目C33型「ローレル」

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6代目(C33型)ローレルは、バブル時代に人気を獲得したトヨタ「マークII 3兄弟(マークII、チェイサー、クレスタ)」に対抗した日産版ハイソカーと言えるかもしれない。そんな時代背景もあり、C33型ローレルも人気モデルとなったが、マークIIやソアラに較べると存在感をアピールしきれなかった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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