BYD SEALION 6
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TOYOTA RAV4 CORE PHEV
ひとまわり大きなサイズの「シーライオン 6」




2022年に日本市場への参入を表明した「BYD(比亜迪)」は、中国を拠点とする世界最大の電動車メーカーだ。2023年から「ATTO 3」「ドルフィン」「シール」といったフル電動モデルを矢継ぎ早に投入し、2025年12月、初のプラグインハイブリッドモデル「シーライオン 6」の導入を発表した。
シーライオン 6は、堂々たる体躯を持つミドルサイズクロスオーバーながらも、先行発売されたFWD仕様は、400万円を切る戦略的な価格を掲げている。
今回比較するのは「トヨタ RAV4」だ。1994年に初代モデルがデビューし、コンパクトクロスオーバーというセグメントを作り上げてきたパイオニアである。2025年5月に発表された6代目モデルは、ひと目でトヨタと分かるハンマーヘッドデザインを纏い、全てのモデルがハイブリッドパワートレインを搭載する(PHEVとストロングハイブリッド)。今回取り上げるPHEV仕様は、2020年に5代目モデルから登場した。
BYDが掲げる海洋生物をイメージした流れるようなエクステリアのシーライオン 6に対し、RAV4は先代のコンセプトを受け継いだSUVらしいボクシーなフォルムを纏う。シーライオン 6がRAV4よりも、全長で175mm、全幅で45mm、ホイールベースでも75mm大きく、ひと回り大きなボディサイズを持っていると言えるだろう。
BYD シーライオン 6
ボディサイズ=全長4775mm×全幅1890mm×全高1670mm
ホイールベース=2765mm
車両重量=1940kg
タイヤサイズ=235/50R19
トヨタ RAV4 CORE PHEV
ボディサイズ=全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm
ホイールベース=2690mm
車両重量=未発表
タイヤサイズ=未発表
EVモード航続距離150kmを実現した「RAV4」




シーライオン 6の1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンは、最高出力98PSを発揮し、フロントに搭載されたモーターへと電力を供給。EVモードでの航続距離は100km、最大航続距離は1200kmを超える。2025年度中の発売を予定しているRAV4 PHEVはトヨタ初の第6世代ハイブリッドシステムを導入。詳しいスペックは未発表となっているが、駆動系の効率化を進め、大容量リチウムイオンの採用により、EVモードでの航続距離は150kmに伸ばされているという。
BYD シーライオン 6
エンジン形式=直列4気筒自然吸気ガソリン
排気量=1498cc
エンジン最高出力=98PS/6000rpm
最大トルク=122Nm/4000〜4500rpm
モーター最高出力=145kW(定格出力60kW)
モーター最大トルク=300Nm
トランスミッション=e-CVT
駆動方式=FWD
トヨタ RAV4 CORE PHEV
エンジン形式=直列4気筒ガソリン
排気量=2487cc
システム最高出力=320PS
最大トルク=未発表
トランスミッション=CVT
駆動方式=AWD
400万円を切る戦略的なプライスタグ




シーライオン 6のコクピットは、12.3インチメータークラスターに、15.6インチタッチディスプレイをレイアウト。深みのあるブラック基調のインテリアに、オレンジブラウンのアクセントを配し、落ち着きを讃えたモダンな室内空間を実現した。RAV4も2基の大型ディスプレイを機能的に配置、インストルメントパネル上面を先代モデルから40mmほど低く配置したことで、運転のしやすい視界が確保されている。
日本市場への攻勢を続けるBYDは、今回先行導入されたFWD仕様が398万2000円、3月から投入予定のAWD仕様に448万8000円という、驚きのプライスタグを掲げてきた。新型RAV4 PHEVの日本における価格は現時点で発表されていないが、通常のハイブリッドモデル(Adventure)は450万円であり、500万円以下は考えにくい。
RAV4 PHEVよりも余裕のある車格に、FWDでは400万円を切る価格のアドバンテージは大きく、日本市場でも一定以上の支持を受ける可能性がある。ただ、リセールバリューに関して、BYDは未知数であることは留意する必要があるだろう。
車両本体価格
BYD シーライオン 6 398万2000円
トヨタ RAV4 CORE PHEV 未発表

