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今日は何の日?

■ポルシェデザインと共作したレガシィB4・ブリッツェン

1999年に発表されたスバル3代目レガシィ「レガシィB4・ブリッツェン」

1999(平成11)年12月22日、スバルは3代目「レガシィB4」のデザインをポルシェデザインと共作した特別仕様車「レガシィ・ブリッツェン」を、翌2000年2月1日から発売することを発表した。“ブリッツェン(BLITZEN)”はドイツ語で“稲妻が輝く“を意味し、稲妻のように走り過ぎる光景をイメージしてネーミングされた。

レオーネの後継として登場した初代レガシィ

1989年2月に誕生した「レガシィ」は、4ドアセダン(BC系)と5ドアツーリングワゴン(BF系)の2タイプで構成された。

1989年にデビューしたスバル初代「レガシィ・セダン」
1989年にデビューしたスバル初代「レガシィ・ツーリングワゴン」。ステーションワゴンブームを巻き起こした

注目の水平対向エンジンは、最高出力110psの1.8L SOHCと150psの2.0L DOHC、最強グレードRSに220psを誇る2.0Lインタークーラーターボエンジンの3機種を設定。トランスミッションは、5速MTおよび4速ATで、駆動方式はアクティブスプリット4WD、これにより現在に続くスバルのコア技術であるシンメトリカルAWDが実質的に完成した。

レガシィは、当時のRVブームの後押しもあって、特にツーリングワゴンの人気が高まり、ステーションワゴンブームの火付け役となり、一方のセダンはWRCで活躍してスポーツセダンとして走り屋から熱い支持を受けた。

1993年にデビューしたスバル2代目「レガシィ・セダン」と「レガシィ・ツーリングワゴン」

レガシィは1993年10月に初めてのモデルチェンジで2代目(BD/BG系)へと移行。基本的にはキープコンセプトで、面構成のスポーティなスタイリングとなった。レガシィ・ツーリングワゴン人気に刺激され、他メーカーからも多くのステーションワゴンが登場したが、レガシィの牙城を崩すモデルは登場しなかった。

2代目レガシィは全体的なレベルアップを図り、特に250psの2.0L水平対向ツインターボの追加などで、ハイパワーエンジン+4WDのレガシィの魅力を高めることに成功した。

走りと装備の上級化を図った3代目レガシィ

1998年にデビューしたスバル3代目「レガシィ・ツーリングワゴン」
スバル3代目「レガシィB4」

3代目レガシィは、1998年6月に先に「ツーリングワゴン(BH系)」が発売され、半年遅れの同年12月にB4のサブネームが付いたセダン「レガシィB4(BE系)」が登場した。

3代目も、全長と全幅が2代目と同じ5ナンバーサイズだが、ホイールベースは2代目より20mm拡大され、居住空間が向上した。水平対向エンジンだからこそできる低く抑えられたボンネットフードから、リアにかけての流れるようなフォルムは先代を継承。インテリアは、4眼メーター空調の操作系をセンター上部に設置するなど、従来のデザインを継承しながらも使い勝手を向上させ、全体の質感を高めて上級感をアピールした。

スバル3代目「レガシィ」に搭載されたEJ20型2.0L 2ステージツインターボ

パワートレインは、水平対向エンジンの最高出力280ps(4速ATは260ps)/最大トルク35.0kgm(4速ATは32.5kgm)を発揮する2.0L DOHCインタークーラーツインターボ、155ps/20.0kgmのDOHC NA、137ps/19.0kgmのSOHC NA、167ps/24.0kgmの2.5L DOHCの4種エンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。

スバル初代~4代目(2000年3月まで)の系譜1

3代目レガシィはメカニズム面で従来の技術を熟成し、その完成度を高めた。さらに、リアのサスペンションはマルチリンク式に進化させ、エンジン、センターデフ、4輪のブレーキを統合制御するVDC(ビークルダイナミックコントロール)を採用するなど、新たな技術も積極的に採用された。

スバル初代~4代目(2000年3月まで)の系譜2

3代目にレガシィ・ブリッツェン登場

1999年12月のこの日に発表された「レガシィB4ブリッツェン」は、STIとポルシェデザインが共同開発した外装部品などを装着した特別仕様車である。

1999年に発表されたスバル3代目レガシィ「レガシィB4・ブリッツェン」

ベースは、レガシィB4のRSKグレードで、エンジンは2.0L DOHC インタークーラーツインターボ搭載の5速MT(280ps)と4速AT(260ps)が設定された。

スバル3代目レガシィ「レガシィB4・ブリッツェン」のリアビュー

B4ブリッツェンは、機能美の追求をテーマに共同開発され、専用のフロントバンパー、リヤバンパー、リヤスポイラー、フロントグリル、17インチアルミホイールを装着したほか、軽量アルミ製フロントフード、ブリッツェンパーケージ(本革シート、本革トリム、コンソール蓋ステッチ、ランバーサポート)、濃色ガラス、ヘアラインパネル、専用エンブレム(フロント&リア)、MT車にはトラクション性能を向上させるフロントヘリカルLSDを採用。また、ボディ色については、人気の高いアークティック・シルバーメタリック、ブラック・マイカに加え専用色のプレミアムレッドを設定するなど、よりスペシャル感をアピールした。

スバル「レガシィB4・ブリッツェン」搭載の2.0 DOHCインタークーラーターボ

車両価格は、300万円(5速MT)/307万円(4速AT)で、販売は2000年2月1日から3月末までの期間限定で行なわれた。ちなみにベース車のRSKは、255.8万(5速MT)/269.8万円(4速AT)だった。

歴代ブリッツェン

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ポルシェデザインは、911の設計者として知られるフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ氏が1972年に設立したデザイン会社で、ポルシェの子会社だ。ポルシェとデザインが共同開発したと思われがちだが、正確にはポルシェ本体が関わったわけではない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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