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今日は何の日?

■大出力モーターで後輪を駆動する本格4WDのノートe-POWER 4WD

2020年に発表された日産「ノートe-POWER 4WD」

2020(平成32)年12月23日、日産自動車は3代目となるノート「ノートe-POWER 4WD」を発売した。この4WDシステムは、e-POWERで初期から採用されていた小型モーターを使って低速域でパワーアシストする簡易的な電動4WDでなく、従来の14倍の駆動力を持つモーターで後輪を駆動する本格的な電動4WDである。

日産初の電動4WDは、モーターアシスト方式でマーチに搭載

2002年に登場、e・4WDが搭載された日産3代目「マーチ」

3代目マーチの発売から半年後の2002年9月、新たに開発された電動4WD「e・4WD」モデルが追加された。「e・4WD」は、FF車の後軸に小型モーターを追加するだけのシンプルかつ安価な4WD。通常はFFだが、滑りやすい路面の発進や車速30km/h以下の走行などではモーターによって後輪も駆動する、いわゆるオンデマンド型のモーターアシスト方式の電動4WDである。

日産・マーチ搭載の「e・4WD」システム構成図

ただし、モーター駆動用のバッテリーを備えず、オルタネーターでDC14Vを発電し、モーターへ最大42Vを印加して後輪を駆動する仕組み。したがって、モーター出力は3.5kW程度にとどまり、また駆動用バッテリーを持たないので減速時のエネルギー回生もできない。

前輪の空転を検知すると、コントローラーがアクセル開度からモーターに必要なトルクを演算し、後軸を駆動する仕組みだが、作動域は0〜30km/hの低速条件に限られる。一方で、悪路での安定した発進や走行性能が得られるだけでなく、プロペラシャフトがないためスペースを有効に使える、電動化により機械的なフリクションロスが低減して燃費が良くなるというメリットもある。

ノートe-POWERにもモーターアシスト電動4WD搭載

日産初代ノート
日産2代目ノート

ノートは、2005年1月に世界戦略車のコンパクトカーとして誕生した。2012年にはモデルチェンジによって2代目となり、スーパーチャージャー搭載モデルを登場させて話題になった。

初めてe-POWERを搭載したノート

そして、2016年11月のマイナーチェンジで「e-POWER」搭載のハイブリッドモデルが登場したのだ。「e-POWER」は、最高出力79ps/最大トルク103Nmの1.2L 直3 DOHCの発電エンジンと109ps/254Nmのモーター、発電機、インバーター、リチウムイオン電池などで構成される。発電用のエンジンは、直接の動力源として使わず、増速機を介して発電機を回し、電池を充電するだけの役目。その電気を使ってモーターを回し、駆動力としてタイヤに伝えてモーター走行する、いわゆるシリーズハイブリッドだ。

ノートe-POWERにも、基本的にはマーチと同じ後輪に3.5kWのモーターを搭載したモーターアシスト方式の電動4WDが用意された。「e-POWER」の走行性能はそのままに、精度高く全輪をモーターでコントロールすることで、凍結した急な登り坂や交差点での右左折時、タイヤへの抵抗が大きな深い雪道でも安定性かつ安心な走りが実現されるのだ。

3代目ノートe-POWERに本格的な電動4WDを搭載

2020年に発表された日産「ノートe-POWER 4WD」

2020年12月のこの日、3代目となる「ノート」がデビューした。3代目ノートは、すべてハイブリッド「e-POWER」仕様となった。

日産「ノートe-POWER 4WD」のシステム構成

3代目にも2WDと4WDが用意されたが、「ノートe-POWER 4WD」は、最高出力82ps/最大トルク103Nmの1.2L 直3 DOHCの発電用エンジンと最高出力116ps/最大トルク280Nmのモーター、これに最高出力68ps(50kW)のモーターが後輪駆動用に搭載された。4WD用の後輪駆動モーターは、先代のモーターアシスト用の3.5kWの約14倍の高出力50kWとなった。

日産「ノートe-POWER 4WD」の雪道走行テスト

後輪に大出力のモーターを搭載することで、全車速域において4輪すべてを強力なモーターで駆動・制御することが可能となり、本格的な電動4輪駆動システムとなった。さらに日産独自の前後独立モーターを緻密かつ瞬時に制御する技術により、ドライ路面はもちろん、ウェットやアイスバーン、深い雪道などといったあらゆる路面状況において、力強く安定した走りが実現された。

日産「ノートe-POWER 4WD」のコクピット
日産「ノートe-POWER 4WD」のシート

また4輪を滑らかに駆動するため、滑りやすい路面でも安定感のある力強い発進や加速が可能となり、コーナリングにおいても、前後の駆動力の配分を自在に変えることが出来るため、安定した旋回性能を発揮。さらに、後輪に減速回生制御を追加したことでエネルギー回生量も増大できるようになった。

日産3代目ノートのボディサイズ

車両価格は、228.8万円(S FOUR)/244.53万円(X FOUR)の2グレードが設定された。

日産「ノートe-POWER 4WD」の雪道走行テスト

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日産に限らず、最近は後輪にモーターを搭載する電動4WD搭載モデルが増えている。電動4WDはコスト高ではあるが、緻密な4WD制御ができ、プロペラシャフトが不要なので広い室内空間が確保できるといった大きなメリットがあるので、今後電動化の普及とともに標準的なシステムになることが予想される。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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