510ブルーバードとシルビアの再来

IDxは、1990年以降に生まれた世代”ジェネレーションZ”いわゆるZ世代をターゲットにしたコンセプトだ。Z世代とは1990年後半から2010年代前半に生まれたデジタルネイティブな世代である。IDxが発表された2013年を軸に考えると、当時10代後半~20代中盤くらいの若者向けに制作したコンセプトと言えるだろう。
IDx(アイディーエックス)の名前の由来は「Identification(アイデンディティ)の略語の「ID」と未知の変数「x」による造語、と日産は説明していた。
ほかにも「D」がローマ数字で「500」を、「x」が10を表すことから、「510」、つまり往年の名車、ブルーバード510へのオマージュだとも考えられるような仕掛けも隠されていた。

そもそも、IDxは日産自動車の創立80周年を記念した発表されたコンセプトだから、それも頷けるが、創立80周年とZ世代向けというなかなか相容れなさそうな目標を両立させるために作られたコンセプトだったのだ。














IDxは、全長約4.1m×全幅約1.7m×全高約1.3mのサイズ。駆動方式は後輪駆動(FR)である。
現行のGR86(4265mm×1775mm×1310mm)とマツダ・ロードスター(3915mm×1735mm×1235mm)の中間くらいのサイズで、絶対的にコンパクトで扱いやすいスポーツコンセプトだった。
パワートレーンは、1.2L~1.5LのガソリンエンジンにCVTを組み合わせていた。1.2LはCR12DE型、1.5LはHR15DE型直4DOHCを積んでいた。1.5LのHR15DEはノートやジュークに搭載していたエンジンで、最高出力116ps/最大トルク156Nmのパワースペックだった。
1.6L直4ターボ搭載のNISMOも



IDxのNISMO版は、全幅が拡幅され約1.8m。エンジンも1.6L直4ターボエンジン(MR16DDT型)を搭載していた。タイヤ&ホイールは、225/40R19。レーシングカーをイメージした真っ赤なインテリアが特徴だった。






往年の日産ファンに対しては510ブルーバード、Z世代に対しては2ドアスポーツクーペ、シルビアの再来の可能性を感じさせたIDx。シルビアが7代目で生産終了をしたのが2002年、ブルーバードが国内から消えてのが、2001年。待望の大名跡の復活は、いまだ果たされていない。









いま見ても、なかなか魅力的なデザインとサイズのIDx。エンジン縦置きで後輪駆動として現代に再現するのは難しいが、BEVとして、新型リーフをコンポーネントを活用したら、FWDの魅力的な電気スポーツクーペができそうな気もするのだが、いかがだろうか?
