Renault Filante Record 2025
ルノーのレコードブレーカーをオマージュ

今回、記録チャレンジを行ったフル電動シングルシーター「フィランテ レコード 2025」は、1925年製「40CV デ・レコーズ(40 CV des Records)」、1934年製「ネルヴァスポール デ・レコーズ(Nervasport)」、1956年製「エトワール フィランテ(Etoile Filante)」といった、ルノーが開発したレコードブレーカー車両たちをオマージュしている。
ルノーとリジェ・オートモーティブは、この独特なスタイルのボディーワークを共同で開発。円型ヘッドランプとボディから独立したホイールは40 CV デ・レコードとネルヴァスポール デ・レコーズ、ホイールフェアリングは、エトワール フィランテ、シャープなグリルやキャビンポジションは40CV デ・レコードから採り入れられている。
各コンポーネントにはカーボンファイバーを最大限に活用。剛性レベルと安全性を最適化し、600kgもの大型バッテリーを搭載しながら、重量は1000kg以下に抑えられた。
セニックと同容量のバッテリーを搭載

ルノーは、2025年初頭の段階で、ルノー セニック E-Tech エレクトリックと同容量(87kWh)のバッテリーを搭載したフィランテ レコード 2025で、充電のために停止することなく、現実的な高速道路速度域で1000km以上を走行することを目標に掲げた。
春に実施された風洞試験の結果、フィランテ レコード 2025は大幅な再設計を実施。最初の挑戦は10月に予定されていたが、悪天候のため直前で中止となった。
最終的にエンジニアで構成された記録挑戦チームは、12月18日にモロッコの「UTACテストトラック」にフィランテ レコード 2025が持ち込まれ、3名のドライバーが交代しながら、このチャレンジを成功させた。平均速度102km/h、消費電力量7.8kWh/100kmという条件で、10時間未満で1008kmを走破。高速道路に近い実走行条件においても、このレベルの航続距離が達成可能であることを示している。
さらに、フィニッシュ時点でもバッテリー残量が11%残っており、100km/hを超える速度で、さらに約120kmの走行が可能な状態だったという。プロジェクトマネージャーを務めたオリヴィエ・ブランシュは、次のように喜びを語った。
「このプロジェクトは、記録的な効率性を実現したいという、ルノーの“執念”から生まれました。天候やエアロダイナミクスとの戦いもありましたが、私にとって最も印象的だったのは人間的な冒険です。ルノーのチームとすべてのパートナーの献身によって支えられた、信じられないほどモチベーションの高い挑戦になりました」
「フィランテ レコード 2025」の記録挑戦を動画でチェック!

